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東京医科歯科大学年2009度入試問題数学解答

90分、120点。


$ \fbox{1}$

$ (1)$
$ C_1$ の中心が格子点を中心とした半径$ 0.5$ の円より外側にあればよい。よって下図の線を引いた部分のようになる。

\includegraphics[width=80mm]{1.eps}

$ (2)$
格子点を中心として、半径 $ \dfrac{\sqrt{2}}{2}$ 円を描くと、下の図のようになる。

\includegraphics[width=60mm]{2.eps}

つまり、格子点を中心とする円の半径が $ \dfrac{\sqrt{2}}{2}$ よりも大きいとき、そのような円は座標平面上を埋め尽くす。 $ 0.75>\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ であるから、$ C_2$ の中心がどのような位置にあっても、$ C_2$ は内部に格子点を含むことが分かる。

$ (3)$
$ 1$ 辺の長さが$ 1$ の立方体を考える。$ 6$ つの頂点が格子点であるとすると、格子点間の最大距離は、対角の位置にある$ 2$ 点の間の距離で、$ \sqrt{3}$ である。したがって、格子点を中心とする球を無数に描いたとき、円の半径が、 $ \dfrac{\sqrt{3}}{2}$ よりも大きいければ、そのような球は座標空間を埋め尽くす。

逆に、球の半径が $ \dfrac{\sqrt{3}}{2}$ よりも小さいときを考える。球の半径を$ k$ とすると、座標空間には格子点を中心とする半径$ k$ の球が無数にあるが、球に触れない領域が存在し、その領域に中心がある半径$ r=k$ の球は、格子点を内部に含まない。

以上の議論より、 $ r\geqq \dfrac{\sqrt{3}}{2}$ であれば、どのような位置に中心があっても、$ S$ は内部に格子点を含む。


$ \fbox{2}$

次の条件が同値であることに注意する。

\begin{displaymath}
\begin{cases}
a\in Z & \\
b\in Z &
\end{cases}\end{displaymath} $ \iff$ \begin{displaymath}
\begin{cases}
a\in Z & \\
a\pm b\in Z &
\end{cases}\end{displaymath}

$ (1)$
条件$ C$ が成り立つとき、 $ f(1),\ f(2),\ f(-1)$ は整数である。

\begin{displaymath}
\begin{cases}
f(1)=a+b+c \in Z & \\
f(2)=4a+2b+c \in Z &
\end{cases}\end{displaymath} $ \iff$ \begin{displaymath}
\begin{cases}
f(1)=a+b+c\in Z & \\
f(2)-f(1)=3a+b\in Z &
\end{cases}\end{displaymath}

であるから、$ 3a+b$ は整数である。また、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
f(-1)=a-b+c \in Z & \\
f(1)=a+b+c \in Z &
\end{cases}\end{displaymath} $ \iff$ \begin{displaymath}
\begin{cases}
f(-1)=a-b+c\in Z & \\
f(-1)+f(1)=2b\in Z &
\end{cases}\end{displaymath}

であるから、$ 2b$ は整数である。すると、 $ 2(3a+b)=6a+2b$ は整数で、$ 2b$ も整数だから、$ 6a$ も整数である。したがって、


$\displaystyle g(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle f(x+3)-f(x)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle a{(x+3)}^2+b(x+3)+c-ax^2-bx-c$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 6ax+3(3a+b)$  

は係数および定数項が整数である。$ a\ne 0$ であるから、1次式でもある。

$ (2)$
$ f(1)=a+b+c=1$ である。両辺に$ 2$ を掛けて、

$\displaystyle 2a+2b+2c=2
$

であるが、$ (1)$ より$ 2b$ は整数であり、$ a,\ b,\ c$ は正であるから、$ 2b=1$ である。よって、 $ b=\dfrac{1}{2}$ である。すると、 $ a+c=\dfrac{1}{2}$ であるが、両辺に$ 6$ を掛けて、

$\displaystyle 6a+6c=3
$

である。$ 6a$ は整数であり、$ a,\ c$ は正であるから、 $ (6a,\ 6c)=(1,\ 2),\ (2,\ 1)$ である。よって、 $ (a,\ c)=\left(\dfrac{1}{6},\ \dfrac{1}{3}\right),\ \left(\dfrac{1}{3},\ \dfrac{1}{6}\right)$ である。

以上より、 $ f(x)=\dfrac{1}{6}x^2+\dfrac{1}{2}x+\dfrac{1}{3},\ \dfrac{1}{3}x^2+\dfrac{1}{2}x+\dfrac{1}{6}$ であるが、このうち$ f(2)$ も整数になるのは、 $ f(x)=\dfrac{1}{6}x^2+\dfrac{1}{2}x+\dfrac{1}{3}$ である。

なお、 $ f(1),\ f(2)$ が整数であり、 $ g(x)=f(x+3)-f(x)$ は係数および定数項が整数であるから、上の$ f(x)$ について、条件$ C$ は満たされている。

$ (3)$
条件$ C$ は次と同値である。

$ \begin{cases}
f(1)=a+b+c\in Z & \\
f(2)=4a+2b+c\in Z & \\
g(x)=f(x+3)-f(x)\in Z \ (x\equiv \pm 1(mod{3}) )&
\end{cases}$ $ \iff$ $ \begin{cases}
a+b+c\in Z & \\
f(2)-f(1)=3a+b\in Z & \\
6ax+3(3a+b)\in Z\ (x\equiv \pm 1(mod{3}) ) &
\end{cases}$

$ 3(3a+b)$ は整数であるから、$ 3$ で割り切れないすべての整数$ x$ に対して、$ 6ax$ が整数となるとき、$ 6a$ は整数である。

$\displaystyle 6a=2(3a+b)-2b
$

であり、$ 3a+b$ は整数であるから、$ 2b$ が整数である。以上より、 $ (m_1,\ m_2,\ m_3)=(2,\ 3,\ 1)$ である。

$ (4)$
$ (3)$ より、 $ 2b,\ 3a+b,\ a+b+c$ は整数である。$ l,\ m$ を整数として、

$ \begin{cases}
2b=l & \\
3a+b=m & \\
a+b+c=n
\end{cases}$

とする。これを$ a,\ b,\ c$ について解くと、

$ \begin{cases}
a=\dfrac{2m-l}{6} & \\
b=\dfrac{l}{2} & \\
c=\dfrac{3n-l-m}{3}
\end{cases}$

となる。 $ a>0,\ b>0,\ c>0$ となるような$ l,\ m$ の個数を求めればよい。 $ a>0,\ b>0,\ c>0$

$ \begin{cases}
0<l<2m & \\
l+m<3n
\end{cases}$

である。$ m$ を固定して考える。

$ (a)$
$ 2m<3n-m$ つまり、$ m<n$ であるとき、 $ 0<l<2m<3n-m$ であるから、 $ l=1,\ 2,\ \cdots,\ 2m-1$ である。 $ m=1,\ 2,\ \cdots,\ n-1$ として、


  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{m=1}^{n-1}{(2m-1)}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle {(n-1)}^2$  

である。

$ (b)$
$ 3n-m<2m$ つまり、$ m>n$ であるとき、 $ 0<l<3n-m<2m$ であるから、 $ l=1,\ 2,\ \cdots,\ 3n-m$ である。 $ m=n+1,\ n+2,\ \cdots,\ 3n-1$ として、


  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{m=n+1}^{3n-1}{(3n-m)}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{m^{\prime}=1}^{2n-1}{(2n-m^{\prime})}\ (m-n=m^{\prime}$と置換。$\displaystyle )$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{m^{\prime\prime}=1}^{2n-1}{m^{\prime\prime}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2n^2-n$  

である。

以上より、求める$ f(x)$ の個数は、 $ {(n-1)}^2+2n^2-n=3n^2-3n+1$ である。


$ \fbox{3}$

$ (1)$


$\displaystyle f^{\prime}(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2\cos{2x}-a\sin{x}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -2(1-2\sin^2{x})-a\sin{x}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -(4\sin^2{x}+a\sin{x}-2)$  

である。$ \sin{x}=t$ と置くと、 $ -\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ より、$ -1<t<1$ であり、$ t$$ \sin{x}$ は1対1に対応する。したがって、 $ g(t)=4t^2+at-2$ として、$ g(t)=0$ が区間$ -1<t<1$ の相異なる2点で解を持つような$ a$ の条件を求めれば良い。 $ D=a^2+32>0$ であるから、$ g(t)=0$ は必ず相異なる実数解を持つ。この解が$ -1<t<1$ に含まれるには、$ y=g(x)$ の軸を$ x=p$ として、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
g(1)=a+2>0 & \\
g(-1)=-a+2>0 & \\
-1<p<1\iff-1<-\dfrac{a}{8}<1 &
\end{cases}\end{displaymath}

であればよい。これらを解くと、$ -2<a<2$ となる。

$ (2)$
$ y=f(x)$ のグラフの概形は次のようになる。

\includegraphics[width=120mm]{3.eps}

ただし、図で $ x=\alpha,\ \beta,\ \gamma$ は、それぞれ区間 $ -\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ において次を満たす点である。

\begin{displaymath}
\begin{cases}
f^{\prime}(\alpha)=0 & \\
f^{\prime}(\beta)=0 & \\
\alpha<\beta & \\
f(\gamma)=0
\end{cases}\end{displaymath}

$ f(x)=\cos{x}(2\sin{x}+a)$ より、 $ 2\sin{\gamma}+a=0$ である。

$\displaystyle F(x)=\int{f(x)dx}=-\dfrac{\cos{2x}}{2}+a\sin{x}
$

と置くと、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
F\left(-\dfrac{\pi}{2}\right)=\dfrac{1}{2}-a & \\
F\left(\dfrac{\pi}{2}\right) =\dfrac{1}{2}+a &
\end{cases}\end{displaymath}

であり、さらに、


$\displaystyle F(\gamma)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle -\dfrac{\cos{2\gamma}}{2}+a\sin{\gamma}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -\dfrac{1}{2}(1-2\sin^2{\gamma}) +a\sin{\gamma}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -\dfrac{1}{2}+{\left(-\dfrac{a}{2}\right)}^2+a\left(-\dfrac{a}{2}\right)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -\dfrac{1}{2}+\dfrac{a^2}{4}-\dfrac{a^2}{2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -\dfrac{a^2}{4}-\dfrac{1}{2}$  

である。従って、


$\displaystyle \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}}{\vert f(x)\vert dx}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\gamma}{f(x)dx}+\int_{\gamma}^{\frac{\pi}{2}}{f(x)dx}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle [-F(x)]_{-\frac{\pi}{2}}^{\gamma}+[F(x)]_{\gamma}^{\frac{\pi}{2}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle F\left(-\dfrac{\pi}{2}\right)+F\left(\dfrac{\pi}{2}\right)-2F(\gamma)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}-a+\dfrac{1}{2}+a-2\left(-\dfrac{a^2}{4}-\dfrac{1}{2}\right)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{a^2}{2}+2$  

である。よって、求める答えは $ \dfrac{a^2}{2}+2$ となる。

$ (3)$
求める積分は、


  $\displaystyle =$ $\displaystyle \int_{\alpha}^{\gamma}{-f(x)dx}+\int_{\gamma}^{\beta}{f(x)dx}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle F(\alpha)+F(\beta)-2F(\gamma)$  

である。$ (1)$ の過程より、 $ \sin{\alpha}$ $ \sin{\beta}$$ g(t)=0$ の解であるから、解と係数の関係より、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
\sin{\alpha}+\sin{\beta}=-\dfrac{a}{4} & \\
\sin{\alpha}\sin{\beta}=-\dfrac{1}{2} &
\end{cases}\end{displaymath}

である。$ (2)$$ F(\gamma)$ の所での計算から、 $ F(x)=\sin^2{x}+a\sin{x}-\dfrac{1}{2}$ であるから、


$\displaystyle F(\alpha)+F(\beta)-2F(\gamma)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sin^2{\alpha}+\sin^2{\beta}+a(\sin{\alpha}+\sin{\beta})-\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{2}-2\left(-\dfrac{a^2}{4}-\dfrac{1}{2}\right)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle {(\sin{\alpha}+\sin{\beta})}^2-2\sin{\alpha}\sin{\beta}+a(\sin{\alpha}+\sin{\beta})-1+\dfrac{a^2}{2}+1$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle {\left(-\dfrac{a}{4}\right)}^2-2\left(-\dfrac{1}{2}\right)+a\left(-\dfrac{a}{4}\right)+\dfrac{a^2}{2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{5}{16}a^2+1$  

となる。よって、求める答えは $ \dfrac{5}{16}a^2+1$ となる。

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