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数学

90分、120点。

東京医科歯科大学2000年度入試問題数学解答


$ \fbox{1}$

$ (1)$
$ 1+i=\sqrt{2}(\cos{45^{\circ}}+i\sin{45^{\circ}})$ であり、 $ \dfrac{1-i}{2}=\dfrac{1}{\sqrt{2}}\{\cos{(-45^{\circ})}+i\sin{(-45^{\circ})}\}$ である。$ z_4=1$ となるとき、$ 1+i$$ 2$ 回、 $ \dfrac{1-i}{2}$$ 2$ 回箱から取り出される。そのような取り出し方は全部で$ _4C_2=6$ 通りで、カードの全部の取り出し方は$ 2^4=16$ 通りである。よって求める確率は $ \dfrac{6}{16}=\dfrac{3}{8}$ である。

$ (2)$
$ 1+i$ が取り出される回数を$ k$ 回とすると( $ k=0,\ 1,\ \cdots,\ 10$ )、 $ \dfrac{1-i}{2}$ の取り出される回数は$ 10-k$ 回である。このとき、


$\displaystyle \vert z_{10}\vert$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2^{\frac{k}{2}}\cdot 2^{-\frac{10-k}{2}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2^{k-5}$  

となる。これは$ k$ の増加数列で、$ k=7$ のとき $ \vert z_{10}\vert=4$$ k=8$ のとき $ \vert z_{10}\vert=8$ となるから、 $ k=8,\ 9,\ 10$ のとき $ \vert z_{10}\vert\geqq 6$ となる。$ (1)$ と同様に考えると、 $ \vert z_{10}\vert\geqq 6$ となる確率は、


$\displaystyle \dfrac{_{10}C_{8}}{2^{10}}+\dfrac{_{10}C_{9}}{2^{10}}+\dfrac{_{10}C_{10}}{2^{10}}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{45+10+1}{2^{10}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{7}{128}$  

となる。従って、 $ \vert z_{10}\vert<6$ となる確率は $ 1-\dfrac{7}{128}=\dfrac{121}{128}$ である。

$ (3)$
題意の確率を$ p_n$ とする。$ z_n$ が虚数のとき$ z_{n+2}$ も虚数になるのは、

$ (a)$
$ 1+i$$ 1$ 回、 $ \dfrac{1-i}{2}$$ 1$ 回出る

の場合である。$ (a)$ の確率は $ \dfrac{2}{4}=\dfrac{1}{2}$ である。$ z_n$ が実数のとき、$ z_{n+2}$ が虚数になるのは、

$ (b)$
$ 1+i$$ 2$ 回出る
$ (c)$
$ \dfrac{1-i}{2}$$ 2$ 回出る

の場合がある。$ (b),\ (c)$ の確率は$ (a)$ の余事象であるから、 $ 1-\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{2}$ である。これらから、


$\displaystyle p_{n+2}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}\cdot p_{n}+\dfrac{1}{2}\cdot(1-p_n)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}$  

となる。$ (a)$ から $ p_2=\dfrac{1}{2}$ であるから、$ n$ が偶数のとき$ z_n$ が虚数となる確率は、 $ \dfrac{1}{2}$ である。


$ \fbox{2}$

$ \overrightarrow{p}=(x,\ y)$ と置く。

$ (1)$


$\displaystyle (x,\ y)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle r(2,\ 1)+s(1,\ 4)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle (2r+s,\ r+4s)$  

$ r,\ s$ について解くと、 $ r=\dfrac{4x-y}{7},\ s=\dfrac{-x+2y}{7}$ となる。これを与えられた条件に代入すると、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
\dfrac{1}{2}\leqq \dfrac{4x-y}{7}+\dfrac{-x+2y}{7}\leqq1 & \\
4x-y \geqq 0& \\
-x+2y\geqq0 &
\end{cases}\end{displaymath}

となる。整理して、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
\dfrac{7}{2}-3x\leqq y\leqq 7-3x & \\
y \geqq \dfrac{x}{2} & \\
y\leqq 4x &
\end{cases}\end{displaymath}

となる。これを図示すると、下図の斜線部のようになる。ただし、境界を含む。

\includegraphics[width=100mm]{1.eps}

$ (2)$
$ t=1-r-s$ より、


$\displaystyle (x,\ y)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle r(2,\ 1)+s(1,\ 4)-t(2,\ 3)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle (2r+s,\ r+4s)-(1-r-s) (2,\ 3)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle (4r+3s-2,\ 4r+7s-3)$  

となる。これを$ r,\ s$ について解くと、 $ r=\dfrac{7x-3y+5}{16},\ s=\dfrac{-x+y+1}{4}$ となる。従って、 $ t=\dfrac{-3x-y+7}{16}$ となる。これを与えられた条件に代入すると、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
7x-3y+5 \geqq 0& \\
-x+y+1\geqq0 & \\
-3x-y+7 \geqq 0 &
\end{cases}\end{displaymath}

となる。整理して、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
y\leqq \dfrac{7x+5}{3} & \\
y \geqq x-1 & \\
y\leqq -3x+7 &
\end{cases}\end{displaymath}

となる。これを図示すると、下図の斜線部のようになる。ただし、境界を含む。

\includegraphics[width=80mm]{2.eps}

$ (3)$
まず$ r+s+t+u=1$ のときを考える。このとき、$ u=1-r-s-t$ で、$ u\geqq 0$ に代入して、 $ r+s+t\leqq 1$ となる。


$\displaystyle (x,\ y)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle r(2,\ 1)+s(1,\ 4)+t(2,\ 3)+(1-r-s-t)(3,\ 3)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle (-r-2s-t+3,\ -2r+s+3)$  

となる。これを$ r,\ s$ について解くと、 $ r=\dfrac{-x-2y-t+9}{5},\ s=\dfrac{-2x+y-2t+3}{5}$ となる。これを与えられた条件に代入すると、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
-x-2y-t+9\geqq 0 & \\
-2x+y-2t+3\geqq 0 & \...
...ac{-x-2y-t+9}{5}+\dfrac{-2x+y-2t+3}{5}+t \leqq 1 &
\end{cases}\end{displaymath}

となる。整理して、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
y\geqq -3x+2t+7 & \\
2x+2t-3\leqq y\leqq \dfrac{-x-t+9}{2} &
\end{cases}\end{displaymath}

である。ここで、 $ 0\leqq t\leqq 1$ だから、これは結局

\begin{displaymath}
\begin{cases}
y\geqq -3x+7 & \\
2x-3\leqq y\leqq \dfrac{-x+9}{2} &
\end{cases}\end{displaymath}

となる。これを図示すると、下図の斜線部のようになる。ただし、境界はすべて含む。

\includegraphics[width=90mm]{3.eps}

今、$ r+s+t+u=1$ 以外のときのことを考えると、

$\displaystyle \overrightarrow{p}=(r+s+t+u)\left(\dfrac{r\overrightarrow{a}+s\overrightarrow{b}+t\overrightarrow{c}+u\overrightarrow{d}}{r+s+t+u}\right)
$

であり、 $ \dfrac{r+t+s+u}{r+s+t+u}=1$ および

$\displaystyle \dfrac{r}{r+s+t+u}\geqq0,\ \dfrac{s}{r+s+t+u}\geqq0,\ \dfrac{t}{r+s+t+u}\geqq0,\ \dfrac{u}{r+s+t+u}\geqq0
$

であるから、ベクトル

$\displaystyle \dfrac{r\overrightarrow{a}+s\overrightarrow{b}+t\overrightarrow{c}+u\overrightarrow{d}}{r+s+t+u}
$

は、上図の三角形と同じ領域を動く。 $ 1\leqq r+s+t+u\leqq 2$ であるから、 $ \overrightarrow{p}$ の動く領域は、その三角形を原点を中心に$ 1$ 倍から$ 2$ 倍まで相似拡大するときに通る領域である。それは、図示すると下のようになる。ただし、境界はすべて含む。網掛け部は$ r+s+t+u=1$ のときに $ \overrightarrow{p}$ が動く領域である。

\includegraphics[width=90mm]{4.eps}


$ \fbox{3}$

$ (1)$


$\displaystyle f^{\prime}(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1+\dfrac{x}{\sqrt{x^2-1}}}{x+\sqrt{x^2-1}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{\sqrt{x^2-1}}$  

である。また、


$\displaystyle g^{\prime}(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {\{f^{-1}(x)\}}^{\prime}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{\frac{dy}{dx}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{y^2-1}$  

である。$ l_1$$ l_2$ が平行なとき、

$\displaystyle \dfrac{1}{\sqrt{a^2-1}}=\sqrt{b^2-1}
$

である。両辺を二乗して整理すると、 $ b^2=\dfrac{a^2}{a^2-1}$ となる。$ b>0$ であるから、 $ b=\dfrac{a}{\sqrt{a^2-1}}$ となる。

$ (2)$
最初に$ g(x)$ を求めてしまう。 $ y=\log{(x+\sqrt{x^2-1})}\ (x\geqq 1)$ とすると、


$\displaystyle y$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \log{(x+\sqrt{x^2-1})}$  
$\displaystyle e^{y}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x+\sqrt{x^2-1}$  
$\displaystyle e^{y}-x$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{x^2-1}$  

である。両辺を二乗して、


$\displaystyle e^{2y}-2xe^y+x^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x^2-1$  
$\displaystyle 2x2^{y}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle e^{2y}+1$  
$\displaystyle x$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{e^{y}+e^{-y}}{2}$  

である。従って、 $ g(x)=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2} \ (x\geqq0)$ となる。点 $ (g(1),\ 1)$ における$ C_1$ の法線$ l$ と曲線$ C_1$ および$ x$ 軸とで囲まれる図形の面積は、点 $ (1,\ g(1))$ における$ C_2$ の法線 $ l^{\prime}$ と曲線$ C_2$ および$ y$ 軸とで囲まれる図形の面積と等しい。 $ g^{\prime}(x)=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}$ に注意すると、 $ l^{\prime}$ の傾きは $ -\dfrac{1}{g^{\prime}(1)}=-\dfrac{2}{e-e^{-1}}$ となる。従って、 $ l^{\prime}$ の方程式は

\includegraphics[width=100mm]{5.eps}

$\displaystyle l: y = -\dfrac{2}{e-e^{-1}}(x-1)+g(1)
$

となる。これより求める図形の面積を$ S$ とすると、


$\displaystyle S$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \int_{0}^{1}{\left\{ -\dfrac{2}{e-e^{-1}}(x-1)+\dfrac{e+e^{-1}}{2} -g(x)\right\}dx}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -\dfrac{2}{e-e^{-1}}\left[\dfrac{{(x-1)}^2}{2}\right]_{0}^{1}+\dfrac{e+e^{-1}}{2}-\left[\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}\right]_{0}^{1}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{e-e^{-1}}+\dfrac{e+e^{-1}}{2}-\dfrac{e-e^{-1}}{2}+\dfrac{1-1}{2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{e-e^{-1}}+e^{-1}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{2e^2-1}{2(e^2-1)}$  

となる。よって、答えは $ \dfrac{2e^2-1}{2(e^2-1)}$ である。

$ (3)$
$ f^{\prime}(a)=1$ のとき、

$\displaystyle g^{\prime}(f(a))=\dfrac{1}{f^{\prime}(a)}=1
$

であるから、 $ f^{\prime}(a)=1$ となるような$ a$ に対して、点 $ P(a,\ f(a))$ と直線$ y=x$ との距離の$ 2$ 倍が、求める$ PQ$ の最小値になる(上の図を参照)。 $ f^{\prime}(a)=\dfrac{1}{\sqrt{a^2-1}}$ であったから、


$\displaystyle \dfrac{1}{\sqrt{a^2-1}}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 1$  
$\displaystyle a^2-1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 1$  
$\displaystyle a$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{2} \ (a>0)$  

である。従って、点 $ P(\sqrt{2},\ \log{(\sqrt{2}+1)})$ として、この点と直線$ x-y=0$ との距離は、

$\displaystyle \dfrac{\vert\sqrt{2}-\log{(\sqrt{2}+1)}\vert}{\sqrt{1^2+1^2}} = \dfrac{\sqrt{2}-\log{(\sqrt{2}+1)}}{\sqrt{2}}
$

である。よって、求める答えは上の値の$ 2$ 倍である $ \sqrt{2}\{\sqrt{2}-\log{(\sqrt{2}+1)}\}$ となる。

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