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東京医科歯科大学1996年度入試問題数学解答

90分、120点。


$ \fbox{1}$

$ (1)$
実数解を$ t$ と置くと、


$\displaystyle t^2+(3+2i)t+1+ki$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle t^2+3t+1+(2t+k)i$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  

である。$ t,\ k$ は実数であるから、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
t^2+3t+1=0 & \\
2t+k=0 &
\end{cases}\end{displaymath}

である。下の式から、 $ t=-\dfrac{k}{2}$ であるから、上の式に代入して、


$\displaystyle {\left(-\dfrac{k}{2}\right)}^2+3 \left(-\dfrac{k}{2}\right)+1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle k^2-6k+4$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle k$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 3\pm\sqrt{5}$  

となる。よって、 $ k=3\pm\sqrt{5}$ である。

$ (2)$
実数解を$ t$ と置くと、


$\displaystyle t^2+(p+qi)t+q+pi$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle t^2+pt+q+(qt+p)i$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  

である。$ t,\ p,\ q$ は実数であるから、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
t^2+pt+q=0 & \\
qt+p=0 &
\end{cases}\end{displaymath}

である。$ q>0$ であるから、下の式から、 $ t=-\dfrac{p}{q}$ である。上の式に代入して、


$\displaystyle {\left(-\dfrac{p}{q}\right)}^2+p\left(-\dfrac{p}{q}\right)+q$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle p^2-p^2q+q^3$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle p^2(q-1)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle q^3$  

となる。$ p,\ q$ は正であるから、$ q>1$ で、 $ p^2=\dfrac{q^3}{q-1}$ となる。従って、

$\displaystyle p^2+q^2=\dfrac{q^3}{q-1}+q^2
$

である。 $ f(q)=\dfrac{q^3}{q-1}+q^2 \ (q>1)$ として、$ f(q)$ の最小値を求めよう。


$\displaystyle f^{\prime}(q)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{3q^2(q-1)-q^3}{{(q-1)}^2}+2q$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{2q^3-3q^2}{{(q-1)}^2}+2q$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{2q^3-3q^2+2q{(q-1)}^2}{{(q-1)}^2}$  

である。分子をさらに計算すると、 $ 4q^3-7q^2+2q$ となる。これを $ g(q)\ (q>1)$ と置くと、


$\displaystyle g(q)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle q(4q^2-7q+2)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 4q(q-\alpha)(q-\beta)$  

となる。ただし、 $ \alpha=\dfrac{7-\sqrt{17}}{8},\ \beta=\dfrac{7+\sqrt{17}}{8}$ である。 $ \alpha<1,\ \beta>1$ であり、$ 1<q<\beta$$ g(q)<0$$ q>\beta$$ g(q)>0$ であるから、$ q=\beta$$ f(q)$ は最小となる。 $ g(\beta)=0$ より $ 4{\beta}^2-7\beta+2=0$ であることに注意して、 $ {\beta}^2=\dfrac{7\beta-2}{4}$ としておく。


$\displaystyle f(\beta)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{{\beta}^3}{\beta-1}+{\beta}^2$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{\beta}{\beta-1}\cdot \dfrac{7\beta-2}{4}+\dfrac{7\beta-2}{4}$  

である。ここで、


$\displaystyle \dfrac{\beta}{\beta-1}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{7+\sqrt{17}}{8}\cdot \dfrac{8}{\sqrt{17}-1}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{(7+\sqrt{17})(1+\sqrt{17})}{16}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{3+\sqrt{17}}{2}$  
$\displaystyle \dfrac{7\beta-2}{4}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{7\cdot\frac{7+\sqrt{17}}{8}-2}{4}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{33+7\sqrt{17}}{32}$  

であるから、


$\displaystyle f(\beta)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{33+7\sqrt{17}}{32}\left( \dfrac{3+\sqrt{17}}{2}+1\right)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{33+7\sqrt{17}}{32}\cdot \dfrac{5+\sqrt{17}}{2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{284+68\sqrt{17}}{32\cdot 2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{71+17\sqrt{17}}{16}$  

となる。よって、求める最小値は $ \dfrac{71+17\sqrt{17}}{16}$ である。


$ \fbox{2}$

$ (1)$
$ f$ を表す行列を $ \left(\begin{array}{cc}a & b \\ c & d\end{array}\right)$ とおく。 $ x^2+4y^2=1$ を満たす$ x,\ y$ に対して、

$\displaystyle \left(\begin{array}{cc}a & b \\ c & d\end{array}\right)\left(\beg...
... \\ y\end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}ax+by \\ cx+dy\end{array}\right)
$

を考える。この点も同じ楕円上にあるので、

$\displaystyle {(ax+by)}^2+{(cx+dy)}^2=1
$

である。整理すると、

$\displaystyle (a^2+4c^2)x^2+(b^2+4d^2)y^2+2(ab+4cd)xy=1 \ \eqno(1)
$

である。$ x,\ y$ $ x^2+4y^2=1$ を満たすので、特に $ (x,\ y)=(1,\ 0),\ \left(0,\ \dfrac{1}{2}\right)$ と置くことにより、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
a^2+4c^2=1 & \\
b^2+4d^2=4 &
\end{cases}\end{displaymath}

が必要である。すると、式$ (1)$

$\displaystyle x^2+4y^2+2(ab+4cd)xy=1
$

となる。 $ x^2+4y^2=1$ であったから、$ ab+4cd=0$ である。以上より、

$\displaystyle a^2+4c^2=1\ \eqno(2)
$

$\displaystyle b^2+4d^2=4\ \eqno(3)
$

$\displaystyle ab+4cd=0\ \eqno(4)
$

が分かる。

$ (3,\ 2)$ が自身に移されることから、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
3a+2b=3 & \\
3c+2d=2 &
\end{cases}\end{displaymath}

である。変形すると、 $ b=\dfrac{3}{2}(1-a),\ c=\dfrac{2}{3}(1-d)$ である。式$ (2),\ (3)$ に代入して、


$\displaystyle a^2+4\cdot\dfrac{4}{9}{(1-d)}^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {1}$  
$\displaystyle \dfrac{9}{4}{(1-a)}^2+4d^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {4}$  

上の式を$ (5)$ 、下の式を$ (6)$ 式として、 $ \dfrac{9}{4}\times (5)-(6)$ 式を作ると、

$\displaystyle \dfrac{9}{4}\{a^2-{(1-a)}^2\}+4\{{(1-d)}^2-d^2\}=\dfrac{9}{4}-4
$

となる。整理すると、これは $ 1-a=\dfrac{16}{9}(1-d)$ となる。これを式$ (6)$ に代入して、

$\displaystyle \dfrac{9}{4}\cdot \dfrac{16^2}{9^2}{(1-d)}^2+4d^2=4
$

である。整理して、


$\displaystyle 25d^2-32d+7$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle (25d-7)(d-1)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  

となる。よって $ d=1,\ \dfrac{7}{25}$ である。このとき、

$ 1-a=\dfrac{16}{9}(1-d),\ b=\dfrac{3}{2}(1-a),\ c=\dfrac{2}{3}(1-d)$ から順に $ a,\ b,\ c,\ d$ が出る。計算すると、

$ (a,\ b,\ c,\ d)=(1,\ 0,\ 0,\ 1),\ \left(-\dfrac{7}{25},\ \dfrac{48}{25},\ \dfrac{12}{25},\ \dfrac{7}{25}\right)$ となる。よって、$ f$ を表す行列は

$ \left(\begin{array}{cc}1 & 0 \\ 0 & 1\end{array}\right),\ \dfrac{1}{25}\left(\begin{array}{cc}-7 & 48 \\ 12 & 7\end{array}\right)$ となる。逆に、 $ a,\ b,\ c,\ d$ がこの値のとき、式 $ (2),\ (3),\ (4)$ と式$ (1)$ より$ f$ は曲線 $ x^2+4y^2=1$ を自身に移す。また、 $ 3a+2b=3,\ 3c+2d=2$ も満たすので、求める行列はこれでよい。

$ (2)$
直線$ y=2x$ を自身に移すことから、直線$ y=2x$ を楕円 $ x^2+4y^2=1$ との交点 $ \dfrac{1}{\sqrt{17}}(1,\ 2),\ \dfrac{1}{\sqrt{17}}(-1,\ -2)$ は交点に移される。従って、

$\displaystyle \left(\begin{array}{cc}a & b \\ c & d\end{array}\right)\dfrac{1}{...
...)=\dfrac{1}{\sqrt{17}}\left(\begin{array}{c}1 \\ 2\end{array}\right)\ \eqno(8)
$

もしくは

$\displaystyle \left(\begin{array}{cc}a & b \\ c & d\end{array}\right)\dfrac{1}{...
...=\dfrac{-1}{\sqrt{17}}\left(\begin{array}{c}1 \\ 2\end{array}\right)\ \eqno(9)
$

である。

$ (8)$ が成り立つとき
$ (8)$ より $ a+2b=1,\ c+2d=2$ である。変形して、 $ b=\dfrac{1-a}{2},\ c=2(1-d)$ である。これを式$ (2),\ (3)$ に代入して、


$\displaystyle a^2+4\cdot 4{(1-d)}^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {1}$  
$\displaystyle \dfrac{{(1-a)}^2}{4}+4d^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {4}$  

である。順に式 $ (10),\ (11)$ として、 $ (10)-4\times (11)$ 式を作ると、

$\displaystyle \{a^2-{(1-a)}^2\}+16\{{(1-d)}^2-d^2\}=1-16
$

である。整理すると、これは $ 1-a=16(1-d)$ となる。これを式$ (11)$ に代入して、

$\displaystyle \dfrac{1}{4}\cdot 16^2{(1-d)}^2+4d^2=4
$

である。整理して、


$\displaystyle 17d^2-32d+15$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle (17d-15)(d-1)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  

となる。よって、 $ d=1,\ \dfrac{15}{17}$ である。このとき、

$ 1-a=16(1-d),\ b=\dfrac{1-a}{2},\ c=2(1-d)$ から順に $ a,\ b,\ c,\ d$ が出る。計算すると、

$ (a,\ b,\ c,\ d)=(1,\ 0,\ 0,\ 1),\ \left(-\dfrac{15}{17},\ \dfrac{16}{17},\ \dfrac{4}{17},\ \dfrac{15}{17}\right)$ となる。

$ (9)$ が成り立つとき
$ (9)$ より $ a+2b=-1,\ c+2d=-2$ である。変形して、 $ b=-\dfrac{1+a}{2},\ c=-2(1+d)$ である。これを式$ (2),\ (3)$ に代入して、


$\displaystyle a^2+4\cdot 4{(1+d)}^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {1}$  
$\displaystyle \dfrac{{(1+a)}^2}{4}+4d^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {4}$  

である。順に式 $ (12),\ (13)$ として、 $ (12)-4\times (13)$ 式を作ると、

$\displaystyle \{a^2-{(1+a)}^2\}+16\{{(1+d)}^2-d^2\}=1-16
$

である。整理すると、これは $ 1+a=16(1+d)$ となる。これを式$ (13)$ に代入して、

$\displaystyle \dfrac{1}{4}\cdot 16^2{(1+d)}^2+4d^2=4
$

である。整理して、


$\displaystyle 17d^2+32d+15$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  
$\displaystyle (17d+15)(d+1)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  

となる。よって、 $ d=-1,\ -\dfrac{15}{17}$ である。このとき、

$ 1+a=16(1+d),\ b=-\dfrac{1+a}{2},\ c=-2(1+d)$ から順に $ a,\ b,\ c,\ d$ が出る。計算すると、

$ (a,\ b,\ c,\ d)=(-1,\ 0,\ 0,\ -1),\ \left(\dfrac{15}{17},\ -\dfrac{16}{17},\ -\dfrac{4}{17},\ -\dfrac{15}{17}\right)$ となる。

逆に、 $ a,\ b,\ c,\ d$ がこれらの値を取るとき、以上より式 $ (2),\ (3),\ (4)$ と式$ (1)$ より$ f$ は曲線 $ x^2+4y^2=1$ を自身に移す。また、式$ (8),\ (9)$ より直線$ y=2x$ を自身に移す。

よって、求める行列は $ \pm\left(\begin{array}{cc}1 & 0 \\ 0 & 1\end{array}\right),\ \dfrac{1}{17}\left(\begin{array}{cc}15 & -16 \\ -4 & -15\end{array}\right)$ となる。


$ \fbox{3}$

$ (1)$
$ 2^x=t$ と置くと、$ x=1$ のとき$ t=2$ であり、 $ x=\log_2{5}-1=\log_2{\dfrac{5}{2}}$ のとき $ t=\dfrac{5}{2}$ である。また、

$\displaystyle 4x^2-(p+2)2^{x+1}+4p+q+4=t^2-2(p+2)t+4p+q+4
$

となるので、区間 $ \left[2,\ \dfrac{5}{2}\right]$ において $ g(t)=t^2-2(p+2)t+4p+q+4$ としたとき、 $ 0\leqq g(t)\leqq 1$ となる条件を考える。

$\displaystyle g(t)={(t-p-2)}^2-p^2+q
$

である。 $ 2\leqq t\leqq \dfrac{5}{2}$ における$ g(t)$ の最大値、最小値の候補は

\begin{displaymath}
\begin{cases}
g(2)=q & \\
g\left(\dfrac{5}{2}\right)=q-p+...
...^2+q \ \left(2\leqq p+2\leqq \dfrac{5}{2}\right) &
\end{cases}\end{displaymath}

であるから、 $ 0\leqq g(t)\leqq 1$ となるのは

\begin{displaymath}
\begin{cases}
0\leqq q\leqq1 & \\
0\leqq q-p+\dfrac{1}{4}...
...leqq 1 \ \left(0\leqq p\leqq \dfrac{1}{2}\right) &
\end{cases}\end{displaymath}

のときである。これを図示すると、下の図の斜線部のようになる。ただし、境界線を含む。

\includegraphics[width=100mm]{1.eps}

$ (2)$
$ f(x)=0$ が実数解をもつとき、$ g(t)=0$ は少なくとも$ 1$ 個の正の実数解を持つ。そのとき、 $ p+2\leqq 0$ ならば $ g(0)=4p+q+4<0$ であり、$ p+2>0$ ならば $ g(p+2)=-p^2+q\leqq 0$ である。$ (1)$ と併せてグラフを描くと、次の図の斜線部の部分のようになる。ただし境界線を含む。

\includegraphics[width=100mm]{2.eps}

今、$ p-2q=k$ とすると、 $ q=\dfrac{1}{2}p-\dfrac{k}{2}$ で、この直線が図の斜線部を通るときの$ k$ の最大値、最小値を求める。

$ k$ が最大になるのは、 $ -\dfrac{k}{2}$ が最小になるときで、それはこの直線が$ q=p^2$ に接するときである。$ q=p^2$$ p$ について微分すると、 $ q^{\prime}=2p$ なので、 $ 2p=\dfrac{1}{2}$ (直線の傾き)となる。これより $ p=\dfrac{1}{4}$ であるから、接点は $ \left(\dfrac{1}{4},\ \dfrac{1}{16}\right)$ である。この点を直線が通るので、 $ k=\dfrac{1}{4}-\dfrac{1}{8}=\dfrac{1}{8}$ となる。

$ k$ が最小になるのは、直線が $ (1,\ 1),\ \left(-\dfrac{1}{2},\ \dfrac{1}{4}\right)$ を通るときで、$ k=-1$ となる。

以上より、$ p-2q$ の最大値は $ \dfrac{1}{8}$ 、最小値は$ -1$ である。

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