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東京医科歯科大学1995年度入試問題数学解答

90分、120点。


$ \fbox{1}$

$ (1)$
$ detA=X_1X_4-X_2X_3$ であるから、これが0 になる $ X_1X_4=X_2X_3$ のときを考える。$ X_1X_4$ の取り得る値は $ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 8,\ 9,\ 12,\ 16$$ 9$ 通りである。

$ X_1X_4=1$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(1,\ 1)$$ 1$ 通り。
$ X_1X_4=2$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(1,\ 2),\ (2,\ 1)$$ 2$ 通り。
$ X_1X_4=3$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(1,\ 3),\ (3,\ 1)$$ 2$ 通り。
$ X_1X_4=4$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(1,\ 4),\ (4,\ 1),\ (2,\ 2)$$ 3$ 通り。
$ X_1X_4=6$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(2,\ 3),\ (3,\ 2)$$ 2$ 通り。
$ X_1X_4=8$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(2,\ 4),\ (4,\ 2)$$ 2$ 通り。
$ X_1X_4=9$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(3,\ 3)$$ 1$ 通り。
$ X_1X_4=12$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(3,\ 4),\ (4,\ 3)$$ 2$ 通り。
$ X_1X_4=16$ のとき
$ (X_1,\ X_4)=(4,\ 4)$$ 1$ 通り。

である。$ X_2X_3$$ X_1X_4$ と等しいときも、同じ場合だけの $ (X_2,\ X_3)$ の選び方があるので、 $ X_1X_4=X_2X_3$ となるのは、

$\displaystyle 1^2+2^2+2^2+3^2+2^2+2^2+1^2+2^2+1^2=32
$

通りである。よって、$ A$ の逆行列が存在しない確率は、 $ \dfrac{32}{4^4}=\dfrac{1}{8}$ であるから、求める確率は $ 1-\dfrac{1}{8}=\dfrac{7}{8}$ である。

$ (2)$
$ x+2y=0$ を満たす$ x,\ y$ に対して、


$\displaystyle \left(\begin{array}{cc}X_1 & X_2 \\ X_3 & X_4\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}x \\ y\end{array}\right)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \left(\begin{array}{c}X_1x+X_2y \\ X_3x+X_4y\end{array}\right)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \left(\begin{array}{c}y(-2X_1+X_2) \\ y(-2X_3+X_4)\end{array}\right)$  

である。この点を$ (X,\ Y)$ とする。 $ -2X_1+X_2=k,\ -2X_3+X_4=l$ と置くと、

$\displaystyle (X,\ Y)=y(k,\ l)
$

である。これが直線にならないのは、$ k,\ l$ の両方が0 のときである。$ k$ が0 のときを考えると、

$\displaystyle k=-2X_1+X_2
$

であるから、 $ (X_1,\ X_2)=(1,\ 2),\ (2,\ 4)$ である。$ l=0$ となるのも同様に $ (X_3,\ X_4)=(1,\ 2),\ (2,\ 4)$ のときであるから、$ (X,\ Y)$ が直線にならないのは、 $ 2\times 2=4$ 通りである。従って、求める確率は、 $ 1-\dfrac{4}{4^4}=\dfrac{63}{64}$ である。


$ \fbox{2}$

$ (1)$
与えられた漸化式より、


$\displaystyle f_1(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x(1+0)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle x$  
$\displaystyle f_2(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x(x+1)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle x^2+x$  
$\displaystyle f_3(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x(x^2+x+2x+1)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle x^3+3x^2+x$  
$\displaystyle f_4(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x(x^3+3x^2+x+3x^2+6x+1)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle x^4+6x^3+7x^2+x$  

である。よって、

$ f_1(x)=1,\ f_2(x)=x^2+x,\ f_3(x)=x^3+3x^2+x$ および、

$ f_4(x)=x^4+6x^3+7x^2+x$ である。

$ (2)$
最初に$ f_n(x)$$ n$ 次式で、定数項が0 であることを示す。定数項が0 であることは、 $ f_n(x)=x(\cdots)$ の形から明らか。$ f_0(x)$ は0 次式で、$ f_n(x)$$ n$ 次式であることを仮定すると、

$ f_{n+1}(x)=x(n$ 次式$ +(n-1)$ 次式$ )=n+1$ 次式となるから、帰納的に$ f_n(x)$$ n$ 次式であることが言える。

従って、 $ \displaystyle f_n(x)=\sum_{i=1}^{n}{a(n,\ i)x^i}$ とおける$ (n\geqq0)$ 。これと、$ n\geqq1$ のとき


$\displaystyle f_n(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x(f_{n-1}(x)+\dfrac{d}{dx}f_{n-1}(x))$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{i=1}^{n-1}{a(n-1,\ i)x^{i+1}}+\sum_{i=1}^{n-1}{ia(n-1,\ i)x^{i}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{i=1}^{n}{\{a(n-1,\ i-1)+ia(n-1,\ i)\}x^i}$  

であることから(ただし、 $ a(n-1,\ 0)=0$ であることや、 $ a(n-1,\ n)$ といった意味のなさないものは0 としていることに注意)、

$ a(n,\ i)=a(n-1,\ i-1)+ia(n-1,\ i) \ (1\leqq i\leqq n)$ が分かる。

$ (3)$
$ (2)$ の帰納法と同じようにすれば、 $ a(n,\ n)=1$ であることがすぐに分かる。$ (2)$ の結果で$ i=n-1$ として、


$\displaystyle a(n,\ n-1)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle a(n-1,\ n-2)+(n-1)a(n-1,\ n-1)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle a(n-1,\ n-2)+(n-1) \ (n\geqq2)$  

である。 $ a(n,\ n-1)=b_n$ と置くと、

$\displaystyle b_n=b_{n-1}+n-1,\ b_1=a(1,\ 0)=0 \ (n\geqq 2)
$

である。これより、


$\displaystyle b_n$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{k=2}^{n}{(k-1)}+b_1$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}{k}+0$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{n(n-1)}{2} \ (n\geqq2)$  

である。よって、 $ a(n,\ n-1)=\dfrac{n(n-1)}{2}$ であるが、 $ a(1,\ 0)=0$ であるから、この式は$ n=1$ でも成り立つ。

$ (4)$
$ (2)$ の結果で$ i=n-2$ として、


$\displaystyle a(n,\ n-2)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle a(n-1,\ n-3)+(n-2)a(n-1,\ n-2)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle a(n-1,\ n-3)+(n-2)\cdot \dfrac{(n-1)(n-2)}{2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle a(n-1,\ n-3)+\dfrac{(n-1){(n-2)}^2}{2} (n\geqq 3)$  

である。 $ a(n,\ n-2)=c_n$ と置くと、

$\displaystyle c_n=c_{n-1}+\dfrac{(n-1){(n-2)}^2}{2},\ c_2=a(2,\ 0)=0 \ (n\geqq 3)
$

である。これより、


$\displaystyle c_n$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{k=3}^{n}{\dfrac{(k-1){(k-2)}^2}{2}}+c_2$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}\sum_{k=2}^{n-1}{k{(k-1)}^2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}\sum_{k=1}^{n-1}{\{(k-1)+1\}{(k-1)}^2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}\sum_{k=1}^{n-1}{{(k-1)}^3}+\dfrac{1}{2}\sum_{k=1}^{n-1}{{(k-1)}^2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}\sum_{k=1}^{n-2}{k^3}+\dfrac{1}{2}\sum_{k=1}^{n-2}{k^2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}\cdot {\left\{\dfrac{(n-2)(n-1)}{2}\right\}}^2+\dfrac{1}{2}\cdot \dfrac{(n-2)(n-1)(2n-3)}{6}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{(n-2)(n-1)}{24}\cdot\left\{3(n-2)(n-1)+2(2n-3)\right\}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{n(n-1)(n-2)(3n-5)}{24} \ (n\geqq3)$  

となる。よって、 $ a(n,\ n-2)=\dfrac{n(n-1)(n-2)(3n-5)}{24}$ であるが、 $ a(2,\ 0)=0$ であるから、この式は$ n=2$ でも成り立つ。


$ \fbox{3}$

$ (1)$
$ BE=AE=\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ であるから、三角形$ ABE$ に余弦定理を適用して、


$\displaystyle \cos{\beta}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{BE^2+BA^2-{AE}^2}{2BA\cdot BE}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1^2+{\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)}^2-{\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)}^2}{2\cdot 1\cdot \frac{\sqrt{3}}{2}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{\sqrt{3}}$  

である。よって、 $ \cos{\beta}=\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ である。

\includegraphics[width=110mm]{1.eps}

$ (2)$
$ PAE=\beta$ であるから、三角形$ APE$ に余弦定理を適用して、


$\displaystyle PE$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{AP^2+AE2-2AP\cdot AE\cdot \cos{\beta}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{x^2+{\left(\dfrac{\sqrt{3}}{2}\right)}^2-2x\cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2}\cdot \dfrac{1}{\sqrt{3}}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{x^2-x+\dfrac{3}{4}}$  

となる。よって、 $ PE=\sqrt{x^2-x+\dfrac{3}{4}}$ である。

$ (3)$
$ P$ から$ i$ 回目の回転の回転軸への長さを $ l_i\ (i=1,\ 2,\ 3,\ 4)$ とする。

$ BCD\rightarrow ABC$
回転の軸は$ BC$ で、 $ l_1=BP\cdot \sin{60^{\circ}}=\dfrac{\sqrt{3}}{2}(1-x)$ である。回転角は $ \pi-\gamma$ であるから、点$ P$ の軌跡の長さは

$ \dfrac{\sqrt{3}}{2}(1-x)(2\pi-\gamma)$ である。

$ ABC\rightarrow ABD$
回転の軸はABで、$ l_2=0$ であるから、点$ P$ の軌跡の長さは0 である。
$ ABD\rightarrow ACD$
回転の軸は$ AD$ で、 $ l_3=AP\sin{60^{\circ}}=\dfrac{\sqrt{3}}{2}x$ である。回転角は $ \pi-\gamma$ であるから、点$ P$ の軌跡の長さは $ \dfrac{\sqrt{3}}{2}x(2\pi-\gamma)$ である。
$ ACD\rightarrow BCD$
回転の軸は$ CD$ で、 $ l_4=PE=\sqrt{x^2-x+\dfrac{3}{4}}$ である。回転角は $ \pi-\gamma$ であるから、点$ P$ の軌跡の長さは

$ (\pi-\gamma)\sqrt{x^2-x+\dfrac{3}{4}}$ である。

以上より、全体での点$ P$ の軌跡の長さは、

$\displaystyle \dfrac{\sqrt{3}}{2}(1-x)(\pi-\gamma)+0+\dfrac{\sqrt{3}}{2}x(\pi-\...
...{3}{4}}=(\pi-\gamma)\left(\dfrac{\sqrt{3}}{2}+\sqrt{x^2-x+\dfrac{3}{4}}\right)
$

となる。答えは $ l=(\pi-\gamma)\left(\dfrac{\sqrt{3}}{2}+\sqrt{x^2-x+\dfrac{3}{4}}\right)$

$ (4)$

$\displaystyle x^2-x+\dfrac{3}{4}={\left(x-\dfrac{1}{2}\right)}^2+\dfrac{1}{2}
$

$ x=\dfrac{1}{2}$ で最小値を取る。従って、$ (3)$ より

$\displaystyle l\geqq (\pi-\gamma)\left(\dfrac{\sqrt{3}}{2}+\sqrt{\dfrac{1}{2}}\right)
$

であるから、$ l$ の最小値は $ \dfrac{(\pi-\gamma)(\sqrt{3}+\sqrt{2})}{2}$ となる。

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