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東京医科歯科大学1993年度入試問題数学解答

90分、120点。


$ \fbox{1}$

$ (1)$
$ (x,\ y)$ に対して、

$\displaystyle A\left(\begin{array}{c}x \\ y\end{array}\right)=\dfrac{1}{5}\left...
...ay}\right)=\dfrac{1}{5}\left(\begin{array}{c}-3x+4y \\ 4x+3y\end{array}\right)
$

である。この点がそれ自身に移される点であるとき、

\begin{displaymath}
\begin{cases}
x=\dfrac{1}{5}(-3x+4y) & \\
y=\dfrac{1}{5}(4x+3y) &
\end{cases}\end{displaymath}

である。この連立方程式を解くと、$ y=2x$ となる。従って、$ f$ によってそれ自身に移される点は $ (t,\ 2t)\ (t$ は任意の実数$ )$ である。

$ (2)$
$ \tan{\theta}=2\ \left(0<\theta<\dfrac{\pi}{2}\right)$ とすると、


$\displaystyle \cos{2\theta}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2\cos^2{\theta}-1$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{2}{1+\tan^2{\theta}}-1$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{2}{1+2^2}-1$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle -\dfrac{3}{5}$  
$\displaystyle \sin{2\theta}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{1-\cos^2{2\theta}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{4}{5}$  

である。従って、 $ A=\left(\begin{array}{cc}\cos{2\theta} & \sin{2\theta} \\ \sin{2\theta} & -\cos{2\theta}\end{array}\right)$ である。これは、直線

$ y=(\tan{\theta})x=2x$ に関する対称移動を表す行列である。従って、$ f$ によってそれ自身に移される直線は、$ (1)$ で求めた直線$ y=2x$ と、$ y=2x$ に垂直な $ y=-\dfrac{1}{2}x+t\ (t$ は任意の実数$ )$ である。

$ (3)$
曲線$ C$ と直線$ y=2x$ の位置関係は下の図のようになる。曲線 $ C^{\prime}$ は曲線$ C$ を直線$ y=2x$ に関して対称移動させたものであるから、曲線$ C$ 上の点 $ (t,\ e^{t})$ から直線$ 2x-y=0$ に下ろした垂線の長さを$ h$ とすると、$ (1),\ (2)$ より、$ 2h$ が求める線分$ PQ$ の長さの最小値である。

\includegraphics[width=45mm]{1.eps}


$\displaystyle h$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{\vert 2t-e^t\vert}{\sqrt{2^2+{(-1)}^2}}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{e^t-2t}{\sqrt{5}}$  

であるから、

$\displaystyle \dfrac{dh}{dt} = \dfrac{e^t-2}{\sqrt{5}}
$

となる。$ t<\log{2}$ において $ \dfrac{dh}{dt}<0$$ t=\log{2}$ において $ \dfrac{dh}{dt}=0$$ t>\log{2}$ において $ \dfrac{dh}{dt}>0$ である。従って、$ h$$ t=\log{2}$ において最小値

$\displaystyle \dfrac{2(1-\log{2})}{\sqrt{5}}
$

を取る。以上より、求める$ PQ$ の長さの最小値は、 $ 2h=\dfrac{4(1-\log{2})}{\sqrt{5}}$ である。


$ \fbox{2}$

$ (1)$
$ X$ の要素が$ 3$ の倍数のとき、$ 1$ の個数は$ 2$ 個、$ 2$ の個数は$ 2$ 個である。従って、$ X\cap Z$ の要素は $ 1122,\ 1212,\ 2112,\ 1221,\ 2121,\ 2211$ $ 6$ 個である。

$ (2)$
$ 1$ の個数によって場合分けすると数えやすい。

$ 1$ の個数が$ 4$ 個のとき
そのような$ Y$ の要素($ 1111$ )は$ 3$ の倍数にはなり得ない。
$ 1$ の個数が$ 3$ 個のとき
そのような$ Y$ の要素は$ 3$ の倍数にはなり得ない。
$ 1$ の個数が$ 2$ 個のとき
$ 3$ の倍数となる$ Y$ の要素は$ 2$$ 2$ 個でなければいけない。よって、$ Y\cap Z$ の要素は $ 1122,\ 1212,\ 1221,\ 2211,\ 2121,\ 2112$$ 6$ 個である。
$ 1$ の個数が$ 1$ 個のとき
$ 3$ の倍数となる$ Y$ の要素は$ 2$$ 2$ 個、$ 4$$ 1$ 個なければいけない。よって、$ Y\cap Z$ の要素は

$ 2214,\ 2241,\ 2124,\ 2421,\ 2142,\ 2412,\ 1224,\ 4221,\ 1242,\ 4212,\ 1422,\ 4122$$ 12$ 個ある。

$ 1$ の個数が0 個のとき
$ 3$ の倍数となる$ Y$ の要素は$ 2$$ 2$ 個、$ 4$$ 2$ 個なければいけない。よって、$ Y\cap Z$ の要素は、 $ 2244,\ 2424,\ 2442,\ 4224,\ 4242,\ 4422$$ 6$ 個ある。

よって、$ Y\cap Z$ となる要素の個数は$ 24$ 個である。

$ (3)$
$ (2)$ の答えの内、どの桁の数字も$ 1122$ より小さくないものは、

$ 1122,\ 2124,\ 2142,\ 1224,\ 1242,\ 1422,\ 4122,\ 2244,\ 2424,\ 2442,\ 4224,\ 4242,\ 4422$$ 13$ 個である。これらが $ 1122\circ x$ となるので、

$ x=1111,\ 2112,\ 2121,\ 1212,\ 1221,\ 1411,\ 4111,\ 2222,\ 2412,\ 2421,\ 4212,\ 4221,\ 4411$ であるが、$ 4$ の含まれる数は不適なので、求める要素は

$ 1111,\ 2112,\ 2121,\ 1212,\ 1221,\ 2222$ である。

$ (4)$
$ 1111\circ x=x$ であるから、条件$ (b),\ (c)$$ (1)$ より、$ 1111$ 以外の要素は $ 1122,\ 1212,\ 2112,\ 1221,\ 2121,\ 2211$ ののうちの$ 3$ つである。条件$ (c)$ を満たすような$ 3$ 組を選ぶと、 $ A=\{1111,\ 1122,\ 1212,\ 2112\}$ が一つの例である。

$ (5)$
$ 1122\circ x \in Z$ となるのは、 $ 1212,\ 2112,\ 1221,\ 2121,\ 2211$ のうち $ 1212,\ 2112,\ 1221,\ 2121$ である。この$ 4$ つの要素の中で、積が$ Z$ に含まれないペアは$ 1212$$ 2121$$ 1221$$ 2112$$ 2$ ペアである。求める答えは、

$ A=\{1111,\ 1122,\ 1212,\ 1221\},\ \{1111,\ 1122,\ 1212,\ 2112\},$

$ \ \{1111,\ 1122,\ 1221,\ 2121\},\ \{1111,\ 1122,\ 2112,\ 2121\}$ である。


$ \fbox{3}$

$ (1)$
一般に、

$\displaystyle \dfrac{d}{dt}\int_{}^{g(t)}{f(x)dx} = g^{\prime}(t)f(g(t))
$

であるから、 $ F^{\prime}(t)=cf(ct+d)-af(at+b)$ となる。

$ (2)$
$ y=f(x)=5\sqrt{1-x^2}$ のグラフは楕円の上半分である。$ t<0$ のときと$ t>0$ のときに分けて考える。

$ t<0$ のとき
下図より、 $ \displaystyle S=\int_{t}^{t+h}{f(x)dx}-\left\{\dfrac{1}{2}(-t)f(t)+\dfrac{1}{2}(t+h)f(t+h)\right\}$ である。

\includegraphics[width=60mm]{2.eps}

$ t\geqq 0$ のとき
下図より、 $ \displaystyle S=\int_{t}^{t+h}{f(x)dx}+\left\{\dfrac{1}{2}tf(t)-\dfrac{1}{2}(t+h)f(t+h)\right\}$ である。

\includegraphics[width=60mm]{3.eps}

従って、どちらの場合も $ \displaystyle S=\int_{t}^{t+h}{f(x)dx}+\dfrac{1}{2}tf(t)-\dfrac{1}{2}(t+h)f(t+h)$ と表すことができる。すると、


$\displaystyle \dfrac{dS}{dt}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle f(t+h)-f(t)+\dfrac{1}{2}\left\{f(t)+tf^{\prime}(t)-f(t+h)-(t+h)f^{\prime}(t+h)\right\}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}\left\{f(t+h)-(t+h)f^{\prime}(t+h)\right\}-\dfrac{1}{2}\left\{f(t)-tf^{\prime}(t)\right\}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{5}{2}\left\{ \sqrt{1-{(t+h)}^2}+\dfrac{{(t+h)}^2}{\sqrt{1-...
...^2}}\right\}-\dfrac{5}{2}\left\{ \sqrt{1-t^2}+\dfrac{t^2}{\sqrt{1-t^2}}\right\}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{5}{2}\left(\dfrac{1}{\sqrt{1-{(t+h)}^2}}-\dfrac{1}{\sqrt{1-t^2}}\right)$  

である。 $ \dfrac{dS}{dt}=0$ となるのは、 $ t=-\dfrac{h}{2}$ のときで、 $ 0\leqq t+h\leqq1$ より $ -h\leqq t\leqq 1-h$ であるから、 $ -h\leqq t< -\dfrac{h}{2}$ では $ \dfrac{dS}{dt}<0$ $ -\dfrac{h}{2}< t\leqq 1-h$ では $ \dfrac{dS}{dt}>0$ $ t=-\dfrac{h}{2}$ $ \dfrac{dS}{dt}=0$ であるから、$ S$ を最小にする$ t$ の値は $ t=-\dfrac{h}{2}$ である。

$ (3)$
$ (2)$ より、$ h=1$ のとき $ t=-\dfrac{1}{2}$ で、


$\displaystyle S$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \int_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}}{f(x)dx}+\left\{-\dfrac{1}{4}f\left(-\dfrac{1}{2}\right)-\dfrac{1}{4}f\left(\dfrac{1}{2}\right)\right\}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 5\int_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}}{\sqrt{1-x^2}dx}-\dfrac{1}{4}\cdot \dfrac{5\sqrt{3}}{2}-\dfrac{1}{4}\cdot \dfrac{5\sqrt{3}}{2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 10\int_{0}^{\frac{1}{2}}{\sqrt{1-x^2}dx}-\dfrac{5\sqrt{3}}{4}$  

である。積分で $ x=\sin{\theta}$ と置換して、


$\displaystyle S$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 10\int_{0}^{\frac{\pi}{6}}{\sqrt{1-\sin^2{\theta}}(\cos{\theta}d\theta)}-\dfrac{5\sqrt{3}}{4}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 10\int_{0}^{\frac{\pi}{6}}{\cos^2{\theta}d\theta}-\dfrac{5\sqrt{3}}{4}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 5\int_{0}^{\frac{\pi}{6}}{(1+\cos{2\theta})d\theta}-\dfrac{5\sqrt{3}}{4}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 5\left[\theta+\dfrac{1}{2}\sin{2\theta}\right]_{0}^{\frac{\pi}{6}}-\dfrac{5\sqrt{3}}{4}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{5\pi}{6}+\dfrac{5\sqrt{3}}{4}-\dfrac{5\sqrt{3}}{4}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{5\pi}{6}$  

となる。よって、 $ S=\dfrac{5\pi}{6}$ である。

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