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東京医科歯科大学1990年度入試問題数学解答

90分、120点。


$ \fbox{1}$

$ (1)$
$ n$ の約数はすべて $ 3^k5^l (0\leqq k\leqq p, 0\leqq l\leqq q)$ の形に表されるが、$ k$$ 0\sim p$$ p+1$ 通り、$ l$$ 0\sim q$$ q+1$ 通りがあるから、$ n=3^p5^q$ の約数の個数は、 $ (p+1)(q+1)$である。

$ (2)$
条件$ (a), (b)$ から $ n=12\cdot 2^a3^b=2^{a+2}\times 3^{b+1}$ とおける。ただし、$ a, b$ は0 以上の整数である。これより、 $ n=2^{a+2}\times 3^{b+1}$ の形をした整数は、小さい順に、 $ 12, 24, 36, 48, 72$ であるが、この数字の約数の個数はそれぞれ順番に $ 6, 8, 9, 10, 12$ 個である。つまり、どれも条件$ (c)$ を満たす。

$ (3)$
$ n=2^{a+2}\times 3^{b+1}$ の約数の個数は、$ (1)$ より $ (a+3)(b+2)$ 個であるから、条件$ (c)$ より $ (a+3)(b+2)\geqq 2^a\times 3^b$ である。これを変形すると、

$\displaystyle \dfrac{a+3}{2^a}\geqq \dfrac{3^b}{b+2}
$

である。負でない整数$ a, b$ に対して上の式の左辺を$ f(a)$ 、右辺を$ g(b)$ とする。

$\displaystyle f(0)=3, f(1)=2, f(2)=\dfrac{5}{4}, f(3)=\dfrac{3}{4}, \cdots
$

であり、

$\displaystyle g(0)=\dfrac{1}{2}, g(1)=1, g(2)=\dfrac{9}{4}, g(3)=\dfrac{27}{5}, \cdots
$

である。式を見ていると、$ f(a)$ は減少関数で、$ g(b)$ は増加関数であることに気が付く。これを証明しよう。


$\displaystyle \dfrac{f(a)}{f(a+1)}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{3+a}{2^a}\cdot \dfrac{2^{a+1}}{4+a}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{2(3+a)}{4+a}$  

であるが、どんな負でない整数$ a$ に対しても、

$\displaystyle \dfrac{2(3+a)}{4+a}>1
$

すならち$ 2+a>0$ が成り立つから、 $ f(a)>f(a+1)$ である。よって、$ f(a)$ は減少関数である。同様に、


$\displaystyle \dfrac{g(b+1)}{g(b)}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{3^{b+1}}{3+b}\cdot \dfrac{2+b}{3^b}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{3(2+b)}{3+b}$  

であるが、どんな負でない整数$ b$ に対しても、

$\displaystyle \dfrac{3(b+2)}{b+3}>1
$

すなわち$ 2b+3>0$ が成り立つから、 $ g(b+1)>g(b)$ である。よって、$ g(b)$ は増加関数である。

すると、$ b\geqq 3$ のときは常に $ g(b)>f(0)=3\geqq f(a)$ であるから、上の$ f(a)$$ g(b)$ の値も参考にして、 $ f(a)\geqq g(b)$ となるのは、$ a=0$ のときは $ b=0, 1, 2$$ a=1$ のときは$ b=0, 1$$ a=2$ のときは$ b=0, 1$$ a=3$ のときは$ b=0$ である。このうち、$ n$ が最大になるのは、下の表も参考にして、 $ (a, b)=(2, 1)$ のときで、その値は$ 144$ である。

$ a$ $ b$ $ 2^{a+2}$ $ 3^{b+1}$ $ n$
$ {{0}}$ $ {0}$ $ 4$ $ 3$ $ 12$
$ {0}$ $ 1$ $ 4$ $ 9$ $ 36$
$ {0}$ $ 2$ $ 4$ $ 27$ $ 1{0}8$
$ 1$ $ {0}$ $ 8$ $ 3$ $ 24$
$ 1$ $ 1$ $ 8$ $ 9$ $ 72$
$ 2$ $ {0}$ $ 16$ $ 3$ $ 48$
$ 2$ $ 1$ $ 16$ $ 9$ $ 144$
$ 3$ $ {0}$ $ 32$ $ 9$ $ 96$


$ \fbox{2}$

$ (1)$
与えられた関係式より、


$\displaystyle f_2(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle (x+1)(x+2)+x^2-x+1$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2x^2+2x+3$  
$\displaystyle f_3(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle (x+1)(2x^2+2x+3)+x^3-2x+2$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2x^3+2x^2+3x+2x^2+2x+3+x^3-2x+2$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 3x^3+4x^2+3x+5$  

である。よって、

$ f_2(x)=2x^2+2x+3, f_3(x)=3x^3+4x^2+3x+5$ である。

$ (2)$
$ a_{n, 0}=f_n(0)$ であるから、与えられた関係式で$ x=0$ とすることによって、


$\displaystyle a_{1, 0}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2$  
$\displaystyle a_{n, 0}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle a_{n-1, 0}+n-1 (n\geqq2)$  

が分かる。したがって、


$\displaystyle a_{n, 0}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle a_{1, 0}+\sum_{k=1}^{n-1}{k}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2+\dfrac{n(n-1)}{2}$  

となる。これは$ n=1$ でも成り立つ。よって、 $ a_{n, 0}=2+\dfrac{n(n-1)}{2}$ が答えである。

$ (3)$
$ \displaystyle \sum_{k=0}^{n}{a_{n, k}}=f_n(1)$ であるから、与えられた関係式で$ x=1$ とする。簡単のために $ \displaystyle \sum_{k=0}^{n}{a_{n, k}}=b_n$ とおくと、 $ b_n=2b_{n-1}+1, b_1=3 (n\geqq 2)$ である。これを変形すると $ b_n+1=2(b_{n-1}+1)$ である。したがって、


$\displaystyle b_n+1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2^{n-1}(b_1+1)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2^{n+1}$  

となる。これより $ b_n=2^{n+1}-1 (n\geqq1)$ となる。よって、

$ \displaystyle \sum_{k=0}^{n}{a_{n, k}}=2^{n+1}-1$ が答えである。

$ (4)$
$ \displaystyle \sum_{k=1}^{n}{ka_{n, k}}=f^{\prime}_n(1)$ に気が付くと早い。与えられた関係式の両辺を$ x$ で微分して、$ x=1$ とおく。

$\displaystyle f^{\prime}(x)=f_{n-1}(x)+(x+1)f^{\prime}_{n-1}(x)+nx^{n-1}-(n-1)
$

であるから、簡単のために $ \displaystyle \sum_{k=1}^{n}{ka_{n, k}}=c_n$ とおくと、$ (3)$ の結果も併せて、


$\displaystyle c_1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 1$  
$\displaystyle c_n$ $\displaystyle =$ $\displaystyle b_{n-1}+2c_{n-1}+n-(n-1)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2c_{n-1}+2^n$  

である。両辺を$ 2^n$ で割って、 $ \dfrac{c_n}{2^n}=d_n$ とおくと、

$\displaystyle d_n=d_{n-1}+1, d_1=\dfrac{1}{2}
$

となる。したがって、


$\displaystyle d_n$ $\displaystyle =$ $\displaystyle d_1+\sum_{k=1}^{n-1}{1}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{2}+n-1$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle n-\dfrac{1}{2}$  

である。結局、 $ c_n=2^n\left(n-\dfrac{1}{2}\right)$ となるから、

$ \displaystyle \sum_{k=1}^{n}{ka_{n, k}}=2^{n-1}(2n-1)$ が答えである。


$ \fbox{3}$

$ (1)$
$ (x, y)$ が一次変換$ f$ によって移動する点を$ (X, Y)$ とすると、

$\displaystyle \left(\begin{array}{c}X \ Y\end{array}\right)=\left(\begin{array...
...frac{1}{a} & b\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}x \ y\end{array}\right)
$

となる。したがって、


$\displaystyle \left(\begin{array}{c}x \ y\end{array}\right)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{ab}\left(\begin{array}{cc}b & 0 \ \frac{1}{a} & b\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}X \ Y\end{array}\right)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{1}{ab}\left(\begin{array}{c}bX \ \frac{X}{a}+aY\end{array}\right)$  

となる。これを$ C_1$ の方程式に代入して、

$\displaystyle \dfrac{1}{ab}\left(\dfrac{X}{a}+aY\right)=\dfrac{X^2}{a^2}+\dfrac{X}{a}
$

となる。整理して、

$\displaystyle L_1 ;  Y=\dfrac{b}{a^2}X^2+\dfrac{1}{a}\left(b-\dfrac{1}{a}\right)X
$

となる。同様に、$ C_2$ の方程式に代入して、

$\displaystyle \dfrac{1}{ab}\left(\dfrac{X}{a}+aY\right)=\dfrac{4aX}{a^2+X^2}
$

となる。整理して、

$\displaystyle L_2  :  Y=\dfrac{4abX}{a^2+X^2}-\dfrac{X}{a^2}
$

となる。式を$ (X, Y)$ から$ (x, y)$ に戻して、答えは

$ L_1 :  y=\dfrac{b}{a^2}x^2+\dfrac{1}{a}\left(b-\dfrac{1}{a}\right)x, L_2 :  y=\dfrac{4abx}{a^2+x^2}-\dfrac{x}{a^2}$ となる。

$ (2)$
$ C_1$$ C_2$ の方程式を連立させて、


$\displaystyle x^2+x$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{4x}{1+x^2}$  
$\displaystyle x+1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{4}{1+x^2} (x\ne 0)$  
$\displaystyle (x+1)(x^2+1)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 4$  
$\displaystyle x^3+x^2+x-3$ $\displaystyle =$ 0  
$\displaystyle (x-1)(x^2+2x+3)$ $\displaystyle =$ 0  

となる。 $ x^2+2x+3={(x+1)}^2+2>0$ であるから、連立させた方程式の答えは$ x=1$ である。これを$ C_1$ の方程式に代入して、$ y=1^2+1=2$ となるから、$ C_1$$ C_2$ の交点は$ (1, 2)$ である。この点を一次変換$ f$ によって変換すると、

$\displaystyle \left(\begin{array}{cc}a & 0 \ -\frac{1}{a} & b\end{array}\right...
...end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}a \ -\frac{1}{a}+2b\end{array}\right)
$

となる。よって、点$ P$ の座標は $ \left(a, -\dfrac{1}{a}+2b\right)$ となる。

$ (3)$
$ C_1$$ C_2$ によって囲まれる部分の面積は、下の図から


$\displaystyle \int_{0}^{1}{\left\{\dfrac{4x}{1+x^2}-(x^2+x)\right\}dx}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \left[2\ln{(1+x^2)}-\dfrac{x^3}{3}-\dfrac{x^2}{2}\right]_{0}^{1}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2\ln{2}-\dfrac{5}{6}$  

となる。行列$ A$ の行列式は$ ab$ で、これは正であるから、求める$ T$ の値は

$ T=ab\left(2\ln{2}-\dfrac{5}{6}\right)$ となる。

\includegraphics[width=80mm]{1.eps}

$ (4)$
$ S$$ T$ が等しいから、$ (3)$ より$ ab=1$ が分かる。$ (1)$ で求めた$ L_1, L_2$ の方程式を$ x$ で微分すると、


$\displaystyle L_1$ $\displaystyle :$ $\displaystyle y^{\prime}=\dfrac{2b}{a^2}x+\dfrac{1}{a}\left(b-\dfrac{1}{a}\right)$  
$\displaystyle L_2$ $\displaystyle :$ $\displaystyle y^{\prime}=\dfrac{4ab\{(a^2+x^2)-x\cdot 2x\}}{{(a^2+x^2)}^2}-\dfrac{1}{a^2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{4ab(a^2-x^2)}{{(a^2+x^2)}^2}-\dfrac{1}{a^2}$  

となる。この式で、点$ P$$ x$ 座標の値を代入して、点$ P$ における$ L_1$$ L_2$ の傾きが


$\displaystyle L_1$ $\displaystyle :$ $\displaystyle \dfrac{3b}{a}-\dfrac{1}{a^2}$  
$\displaystyle L_2$ $\displaystyle :$ $\displaystyle -\dfrac{1}{a^2}$  

と分かる。直交条件から、


$\displaystyle \left(\dfrac{3b}{a}-\dfrac{1}{a^2}\right)\cdot -\dfrac{1}{a^2}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle -1$  
$\displaystyle \dfrac{3b}{a}-\dfrac{1}{a^2}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle a^2$  
$\displaystyle \dfrac{3}{a^2}-\dfrac{1}{a^2}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle a^2  (ab=1)$  

となる。整理すると、$ a^4=2$ となる。$ a>0$ より、 $ a=\sqrt[4]{2}$ となる。$ ab=1$ から、 $ b=\sqrt[-4]{2}$ である。

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