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東京医科歯科大学1989年度入試問題数学解答

90分、120点。


$ \fbox{1}$

$ (1)$
与えられた条件より、 $ \overrightarrow{AQ}=4\overrightarrow{AP}$ である。原点を$ O$ としてこの式を変形すると、 $ \overrightarrow{OQ}-\overrightarrow{OA}=4(\overrightarrow{OP}-\overrightarrow{OA})$ となる。従って、


$\displaystyle \overrightarrow{OQ}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \overrightarrow{OA}+4(\overrightarrow{OP}-\overrightarrow{OA})$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 4\overrightarrow{OP}-3\overrightarrow{OA}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 4\overrightarrow{OP}+(1,\ 14,\ 2)$  

である。これは、中心が $ (1,\ 14,\ 2)$ で半径が$ 4$ の球である。従って、求める$ S$ の方程式は

$ {(x-1)}^2+{(y-14)}^2+{(z-2)}^2=16$ となる。

$ (2)$
曲面$ S$ と曲線$ C$$ xyz$ 座標空間上に描くと次の図のようになる。

\includegraphics[width=90mm]{1.eps}

$ RT$ の最小値を求めるには、$ (1)$ で求めた球の中心 $ (1,\ 14,\ 2)$ を点$ B$ として、$ RB$ の最小値を求めれば良い。

$ R$ $ (t^2,\ t,\ 0)$ とすると、


$\displaystyle RB^2$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {(t^2-1)}^2+{(t-14)}^2+2^2$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle t^4-2t^2+1+t^2-28t+196+4$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle t^4-t^2-28t+201$  

である。 $ f(t)=t^4-t^2-28t+201$ とすると、


$\displaystyle f^{\prime}(t)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 4t^3-2t-28$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle (t-2)(4t^2+8t+14)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 2(t-2)(2t^2+4t+7)$  

となる。二次方程式 $ 2t^2+4t+7=0$ の判別式は $ D=2^2-2\cdot 7=-10<0$ であるから、この二次方程式は実数解を持たない。したがって、$ t<2$ $ f^{\prime}(t)<0$$ t=2$ $ f^{\prime}(t)=0$$ t>2$ $ f^{\prime}(t)>0$ となる。

なので、$ t=2$ のときに$ f(t)$ は最小値をとる。


$\displaystyle f(2)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2^4-2^2-28\cdot 2+201$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 157$  

であるから、$ (1)$ で求めた球の半径が$ 4$ であることに注意して、求める$ RT$ の最小値は $ \sqrt{157}-4$ となる。


$ \fbox{2}$

$ (1)$
与えられた条件式$ (b)$ と、 $ f(x)=x,\ h(x)=x^2\sin{x}$ より、

$\displaystyle xg^{\prime}(x)-g(x)=x^2\sin{x}
$

となる。両辺を$ x$ で微分して、

$\displaystyle g^{\prime}(x)+xg^{\prime\prime}(x)-g^{\prime}(x)=2x\sin{x}+x^2\cos{x}
$

となる。すなわち、

$\displaystyle xg^{\prime\prime}(x)=2x\sin{x}+x^2\cos{x}
$

である。どんな$ x$ についてもこれが成り立つので、

$\displaystyle g^{\prime\prime}(x)=2\sin{x}+x\cos{x}
$

となる。この式を$ x$ で積分して、

$\displaystyle g^{\prime}(x)=-\cos{x}+x\sin{x}+C
$

となる。ただし、$ C$ は積分定数である。この定数を求めるために、

$\displaystyle xg^{\prime}(x)-g(x)=x^2\sin{x}
$

において、 $ x=\dfrac{\pi}{2}$ とすると、条件$ (b)$ より $ g\left(\dfrac{\pi}{2}\right)=\dfrac{\pi}{2}$ であったから、

$\displaystyle \dfrac{\pi}{2}g^{\prime}\left(\dfrac{\pi}{2}\right)-\dfrac{\pi}{2}={\left(\dfrac{\pi}{2}\right)}^2
$

である。したがって、 $ g^{\prime}\left(\dfrac{\pi}{2}\right)=\dfrac{\pi}{2}+1$ となる。これを上の式

$\displaystyle g^{\prime}(x)=-\cos{x}+x\sin{x}+C
$

に代入することによって、$ C=1$ が分かる。 $ g^{\prime}(x)=x\sin{x}-\cos{x}+1$ を再び$ x$ で積分して、

$\displaystyle g(x)=-x\cos{x}+x+D
$

となる。ただし、$ D$ は積分定数である。 $ g\left(\dfrac{\pi}{2}\right)=\dfrac{\pi}{2}$ より、$ D=0$ である。以上より、 $ g(x)=x(1-\cos{x})$ が求める答えである。

$ (2)$
与えられた条件を立式すると、下の図も参考にして、


$\displaystyle D_1$ $\displaystyle :$ $\displaystyle x_0y_0-\int_{0}^{x_0}{g(x)dx}$  
$\displaystyle D_2$ $\displaystyle :$ $\displaystyle \int_{0}^{x_0}{\{g(x)-x^2\}dx}$  

となる。これより、

$\displaystyle x_0y_0-\int_{0}^{x_0}{g(x)dx}=\int_{0}^{x_0}{\{g(x)-x^2\}dx}
$

である。整理して、

$\displaystyle 2\int_{0}^{x_0}{g(x)dx}=x_0g(x_0)+\dfrac{{x_0}^3}{3}
$

であるが、簡単のためにこれを

$\displaystyle 2\int_{0}^{x}{g(t)dt}=xg(x)+\dfrac{x^3}{3}
$

と書いておく。

\includegraphics[width=50mm]{2.eps}

上の式の両辺を$ x$ で微分して、

$\displaystyle 2g(x)=g(x)+xg^{\prime}(x)+x^2
$

すなわち

$\displaystyle xg^{\prime}(x)=g(x)-x^2
$

である。ここで、後の計算のために、$ x=4$ を代入して、条件$ (a)$$ g(4)=16$ を使って、 $ g^{\prime}(4)=0$ を出しておく。

$ xg^{\prime}(x)=g(x)-x^2$ の両辺を$ x$ で微分して、

$\displaystyle g^{\prime}(x)+xg^{\prime\prime}(x)=g^{\prime}(x)-2x
$

すなわち

$\displaystyle xg^{\prime\prime}(x)=-2x
$

である。どんな$ x$ についてもこの式が成り立つので、 $ g^{\prime\prime}(x)=-2$ である。

後はこれは順次積分していけばよい。

$\displaystyle g^{\prime}(x)=-2x+C
$

となり、 $ g^{\prime}(4)=0$ から$ C=8$ である。

$\displaystyle g(x)=-x^2+8x+D
$

となり、$ g(4)=0$ から$ D=0$ である。よって、 $ g(x)=-x^2+8x$ である。この関数が条件$ (b)$ を満たしていることはすぐに分かる。


$ \fbox{3}$

$ (1)$
$ 6$ 回とも違うサイコロの目が出る確率だから、

$ 1\times \dfrac{5}{6}\times \dfrac{4}{6}\times \dfrac{3}{6}\times \dfrac{2}{6}\times \dfrac{1}{6}$ が答えである。計算して、 $ \dfrac{5}{324}$ となる。

$ (2)$
$ f(1)=1,\ f(2)=2,\ f(i)\ne i\ (i=3,\ 4,\ 5,\ 6)$ となる確率である。これは、

$ \dfrac{1}{6}\times \dfrac{1}{6}\times {\left(\dfrac{5}{6}\right)}^4$ である。計算して、 $ \dfrac{625}{46656}$ となる。

$ (3)$
$ f$$ A$ の上への写像になっているという事象を$ X$ として、 $ K(f)=\{1,\ 2\}$ となる事象を$ Y$ とすると、求める確率は条件付き確率$ P(Y\vert X)$ である。

$ (1)$ より $ P(X)=\dfrac{5}{324}$ は分かっているから、 $ P(X\cap Y)$ を求めよう。たとえば$ f(3)=4$ のときを考えてみる。このとき、事象$ Y$ となるサイコロの目の出方は、

$\displaystyle \{f(4)=3,\ f(5)=6,\ f(6)=5\},\ \{f(4)=6,\ f(5)=3,\ f(6)=5\},
$

$\displaystyle \{f(4)=5,\ f(5)=6,\ f(6)=3\}
$

$ 3$ 通りである。 $ f(3)=5,\ f(3)=6$ のときも同じように列挙していくと、それぞれ$ 3$ 通りの目の出方があることが分かる。従って、事象$ Y$ となるサイコロの目の出方は、$ 9$ 通りである。以上より、

$\displaystyle P(X\cap Y)=\dfrac{1}{6}\times \dfrac{1}{6}\times \dfrac{9}{6^4}
$

である。従って、


$\displaystyle P(Y\vert X)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{P(X\cap Y)}{P(X)}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{9/6^4}{5/324}$  

である。計算して、答えは $ \dfrac{1}{80}$ となる。

$ (4)$
$ K(f\circ f)=A$ ということは、たとえば$ f(i)$ のどの$ 2$ つを見てみても、 $ f(1)=4,\ f(4)=1$ のようなペアになっているということである。たとえば、 $ f(1)=2,\ f(2)=1$ となっている場合を考えてみよう( $ f(1)=1,\ f(2)=2$$ K(f)$ が空集合という条件に適合しないので最初から除いて考える)。

このとき、題意に適するのは

$\displaystyle \{f(3)=4,\ f(4)=3,\ f(5)=6,\ f(6)=5\},\ \{f(3)=5,\ f(4)=6,\ f(5)=3,\ f(6)=4\},\
$

$\displaystyle \{f(3)=6,\ f(4)=5,\ f(5)=4,\ f(6)=3\}
$

となっている$ 3$ 通りのみである。 $ f(1)=3,\ f(1)=4,\ f(1)=5,\ f(1)=6$ のそれぞれの場合についても同じように題意に適する$ 3$ 通りの組がある。したがって、 $ 3\times 5=15$ 通りの場合が$ (4)$ の条件を満たすことが分かる。$ f$$ 1$$ 1$ の写像であるような場合の数は、$ 6!$ 通りであるから、求める確率は $ \dfrac{15}{6!}$ となる。計算して、答えは $ \dfrac{1}{48}$ となる。

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