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東京医科歯科大学1988年度入試問題数学解答

90分、120点。


$ \fbox{1}$

$ (1)$


$\displaystyle x$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 1-\vert y^2-1\vert$  
  $\displaystyle =$ \begin{displaymath}\begin{cases}
1+(y^2-1)\ (0\leqq y\leqq1) & \\
1-(y^2-1) \ (y\geqq1) &
\end{cases}\end{displaymath}  
  $\displaystyle =$ \begin{displaymath}\begin{cases}
y^2\ (0\leqq y\leqq1) & \\
-y^2+2\ (y\geqq1) &
\end{cases}\end{displaymath}  

であるから、$ x\geqq0$ の領域について、グラフを描くと次の図のようになる。

\includegraphics[width=100mm]{1.eps}

求めるグラフは、これを$ y$ 軸に関して折り返したものである。したがって、曲線$ C$ は下図のような形になる。

\includegraphics[width=100mm]{2.eps}

$ (2)$
上で求めた方程式を$ y$ について解くことで、点$ P$ の座標は $ (a,\ \sqrt{2-a})$ 、点$ Q$ の座標は $ (a,\ \sqrt{a})$ と分かる。

\includegraphics[width=100mm]{3.eps}

従って、題意の長方形の面積を$ S$ とすると、 $ S=2a(\sqrt{2-a}-\sqrt{a})$ である。ただし、$ 0<a<1$ である。

これより、


$\displaystyle \dfrac{dS}{2da}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sqrt{2-a}-\sqrt{a}-a\left(\dfrac{1}{2\sqrt{2-a}}+\dfrac{1}{2\sqrt{a}}\right)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{2(2-a)-a}{2\sqrt{2-a}}-\dfrac{3}{2}\sqrt{a}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{4-3a}{2\sqrt{2-a}}-\dfrac{3}{2}\sqrt{a} \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \cdots (a)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{3(2-a)-2}{2\sqrt{2-a}}-\dfrac{3}{2}\sqrt{a}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \dfrac{3}{2}\sqrt{2-a}-\dfrac{1}{\sqrt{2-a}}-\dfrac{3}{2}\sqrt{a}$  

となる。今、$ 0<a<1$ のとき、 $ \dfrac{3}{2}\sqrt{2-a},\ -\dfrac{1}{\sqrt{2-a}},\ -\dfrac{3}{2}\sqrt{a}$ はいずれも$ a$ についての減少関数である。したがって、 $ \dfrac{dS}{da}$$ a$ についての減少関数である。

$ a=0$ のとき $ \dfrac{dS}{da}=2\sqrt{2}>0$ であり、$ a=1$ のとき $ \dfrac{dS}{da}=-1<0$ であるから、$ 0<a<1$ $ \dfrac{dS}{da}=0$ となるような$ a$ がただ一つ存在する。

$ \dfrac{dS}{da}$ はそのような$ a$ の前後で符号を$ +$ から$ -$ へと変えるので、求める$ a$ はこれである。

上の式中$ (a)$ 式から、 $ \dfrac{4-3a}{2\sqrt{2-a}}-\dfrac{3}{2}\sqrt{a}=0$ である。両辺を払い整理して、 $ 4-3a=3\sqrt{a}\sqrt{2-a}$ となる。両辺を二乗して、 $ 16-24a+9a^2=9a(2-a)$ となる。整理して、 $ 9a^2-21a+8=0$ となる。この二次方程式を解くと、 $ a=\dfrac{7\pm\sqrt{17}}{6}$ となるが、$ 0<a<1$ であるから、 $ a=\dfrac{7-\sqrt{17}}{6}$ が求める答えとなる。


$ \fbox{2}$

$ (1)$
平面上の任意の点$ (x,\ y)$ に対して、

$\displaystyle \left(\begin{array}{cc}0 & 1 \\ 1 & 0\end{array}\right)\left(\beg...
...ray}{c}x \\ y\end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}y \\ x\end{array}\right)
$

であるから、$ 1$ 次変換$ f$ は、平面上の点を直線$ y=x$ に関して対称移動させる変換である。条件を満たすような点は下の図のようになる。

\includegraphics[width=150mm]{4.eps}

$ (x,\ y)$ が集合$ X$ に含まれるとき、必ず点$ (y,\ x)$ も同じ集合に含まれることに注意すると、求める答えは以下の$ 7$ 個である。

$ X=\{(1,\ 2),\ (2,\ 1)\},\ \{(1,\ 3),\ (3,\ 1)\},\ \{(2,\ 3),\ (3,\ 2)\},\ \{(1,\ 2),\ (2,\ 1),\ (1,\ 3),\ (3,\ 1)\},\ $

$ \{(1,\ 2),\ (2,\ 1),\ (2,\ 3),\ (3,\ 2)\},\ $

$ \{(1,\ 3),\ (3,\ 1),\ (2,\ 3),\ (3,\ 2)\},\ \{(1,\ 2),\ (2,\ 1),\ (1,\ 3),\ (3,\ 1),\ (2,\ 3),\ (3,\ 2)\}$

$ (2)$
平面上で、座標がともに$ n$ までの正の整数であるような点で、直線$ y=x$ 上にないものの個数は、$ n^2-n$ 個である。この点は、各々直線$ y=x$ に関して対称な点とペアになっている。このペアが集合に含まれるか含まれないかで、 $ 2^{\frac{n^2-n}{2}}$ 通りの場合の数がある。しかし、全部含まれない$ 1$ 通りは除いて考えないといけない。よって、求める答えは $ 2^{\frac{n(n-1)}{2}}-1$ 通りである。

$ (3)$
$ 4$ $ P_1(1,\ 2),\ P_2(1,\ 3),\ P_3(1,\ 4),\ P_4(2,\ 3)$ が集合$ X$ に含まれるとき、点 $ (2,\ 1),\ (3,\ 1),\ (4,\ 1),\ (3,\ 2)$ も集合$ X$ に含まれる。

\includegraphics[width=150mm]{5.eps}

$ (i)$$ (4,\ 2)$ が集合$ X$ に含まれるとき
$ (2,\ 4)$ も同じく集合$ X$ に含まれる。直線$ y=1,\ y=2$ の上にはすでに集合$ X$ に含まれる点が$ 3$ つあるので、点 $ (5,\ 1),\ (6,\ 1),\ (5,\ 2),\ (6,\ 2)$ は集合$ X$ に含まれない。すると、 $ (1,\ 5),\ (1,\ 6),\ (2,\ 5),\ (2,\ 6)$ も集合$ X$ には含まれない。

\includegraphics[width=150mm]{6.eps}

このとき、直線$ y=6$ 上の$ 3$ 点は $ (3,\ 6),\ (4,\ 6),\ (5,\ 6)$ と決まり、すると点 $ (6,\ 3),\ (6,\ 4),\ (6,\ 5)$ も集合$ X$ に含まれることになる。

直線$ y=5$ を見ると、残りの点は $ (3,\ 5),\ (4,\ 5)$ と決まる。すると、点 $ (5,\ 3),\ (5,\ 4)$ も集合$ X$ に含まれることになる。ところが、直線$ y=3$ 上にはすでに$ 3$ この点がある。これは矛盾である。つまり、点$ (4,\ 2)$ は集合$ X$ に含まれない。

\includegraphics[width=150mm]{7.eps}

$ (ii)$$ (5,\ 2)$ が集合$ X$ に含まれるとき
$ (2,\ 5)$ も同じく集合$ X$ に含まれる。直線$ y=1,\ y=2$ の上にはすでに集合$ X$ に含まれる点が$ 3$ つあるので、点 $ (5,\ 1),\ (6,\ 1),\ (4,\ 2),\ (6,\ 2)$ は集合$ X$ には含まれない。すると、 $ (1,\ 5),\ (1,\ 6),\ (2,\ 4),\ (2,\ 6)$ も集合$ X$ には含まれない。

\includegraphics[width=150mm]{8.eps}

このとき、直線$ y=6$ 上の$ 3$ 点は $ (3,\ 6),\ (4,\ 6),\ (5,\ 6)$ と決まり、すると点 $ (6,\ 3),\ (6,\ 4),\ (6,\ 5)$ も集合$ X$ に含まれることになる。

直線$ y=5$ を見ると、残りの点は $ (3,\ 5),\ (4,\ 5)$ のどちらかである。ところが、直線$ y=3$ 上にはすでに$ 3$ 個の点があるので、直線$ y=5$ 上の残りの点は点$ (4,\ 5)$ と決まる。すると、点$ (5,\ 4)$ も集合$ X$ に含まれるから、すべての点が決まる。

\includegraphics[width=150mm]{9.eps}

$ (iii)$$ (6,\ 2)$ が集合$ X$ に含まれるとき
$ (2,\ 6)$ も同じく集合$ X$ に含まれる。直線$ y=1,\ y=2$ の上にはすでに集合$ X$ に含まれる点が$ 3$ つあるので、点 $ (5,\ 1),\ (6,\ 1),\ (4,\ 2),\ (5,\ 2)$ は集合$ X$ に含まれない。すると、 $ (1,\ 5),\ (1,\ 6),\ (2,\ 4),\ (2,\ 5)$ も集合$ X$ には含まれない。

\includegraphics[width=150mm]{10.eps}

直線$ y=5$ を見ると、残りの点は $ (3,\ 5),\ (4,\ 5),\ (6,\ 5)$ と決まる。すると、点 $ (5,\ 3),\ (5,\ 4),\ (5,\ 6)$ も集合$ X$ に含まれる。$ y=3$ を見ると、すでに$ 3$ 個の点があり、点$ (6,\ 3)$ は集合$ X$ に含まれないので、点$ (3,\ 6)$ も含まれない。したがって、直線$ y=6$ 上の残りの点は点$ (4,\ 6)$ と決まる。そうなると、点$ (6,\ 4)$ も集合$ X$ に含まれるから、すべての点が決まる。

\includegraphics[width=150mm]{11.eps}

結局、求める答えは上記の$ 2$ 通りである。


$ \fbox{3}$

$ (1)$
$ P$ $ (0,\ 1,\ 0)$ にあるとき、$ l=1$ で、これが$ l$ の最小値である。点$ P$ $ (0,\ -1,\ 0)$ にあるとき、 $ l=\sqrt{1+{\pi}^2}$ で、これが$ l$ の最大値である。$ l$ は連続であるから、この間の値をすべて取る。$ 3<\pi<3.2$ であるから、

$\displaystyle 9<{\pi}^2<10.24
$

$\displaystyle 10<1+{\pi}^2<11.24
$

$\displaystyle 3<\sqrt{10}<\sqrt{1+{\pi}^2}<\sqrt{11.24}<4
$

である。したがって、点$ P$ が円$ C$ 上を一周するとき、$ l$ $ 1,\ 2,\ 3,\ 3,\ 2$ と、$ 5$の整数値を取る。

\includegraphics[width=70mm]{12.eps}

\includegraphics[width=70mm]{13.eps}

$ (2)$
題意より、

$\displaystyle \sqrt{x^2+y^2+z^2}: \sqrt{x^2+{(y-1)}^2+z^2}=2:1
$

である。両辺を二乗して、

$\displaystyle x^2+y^2+z^2=4\{x^2+{(y-1)}^2+z^2\}
$

となる。整理すると、これは $ x^2+{\left(y-\dfrac{4}{3}\right)}^2+z^2=\dfrac{4}{9}$ となる。これは球である。

\includegraphics[width=80mm]{14.eps}

$ (3)$
$ Q$ の座標を $ (\cos{\theta},\ \sin{\theta},\ 0)\ (0\leqq \theta\leqq 2\pi)$ として$ S$ の方程式を求める。

$\displaystyle \sqrt{x^2+y^2+z^2}:\sqrt{{(x-\cos{\theta})}^2+{(y-\sin{\theta})}^2+z^2}=2:1
$

として$ (2)$ と同様に整理すると、方程式は

$\displaystyle {\left(x-\dfrac{4}{3}\cos{\theta}\right)}^2+{\left(y-\dfrac{4}{3}\sin{\theta}\right)}^2+z^2=\dfrac{4}{9}
$

となる。したがって、$ \theta$ が動くとき、曲面$ S$ の作る立体は、$ (2)$ の球を$ z$ 軸のまわりに回転させたものである。これは、ドーナツのような形になる。$ (2)$ の球の半径は $ \dfrac{2}{3}$ で、回転軸からの距離は $ \dfrac{4}{3}$ であるから、求める体積は

$ {\left(\dfrac{2}{3}\right)}^2\times \pi\times \dfrac{4}{3}\times 2\pi=\dfrac{32}{27}{\pi}^2$ となる。

\includegraphics[width=90mm]{15.eps}

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