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東京医科歯科大学2009年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:20分

結論は一瞬で分かるのですが、説明に頭を使うイヤらしい問題です。

$ (1)$
問題全体を通じて、 $ C_1,\ C_2,\ S$ といった円、球を動かすよりも、「格子点を中心とする円や球」を設定した方が考えやすいと思います。

$ (2)$
これも答えは分かっていても、どのように説明したらいいかで頭を使った受験生の方が多かったと思います。

$ (3)$
予備校の解答を見てみると、図だけを載せたものや丁寧に説明したものなど、色々見られますが、最低解答程度の記述は必要でしょう。逆に、この記述程度では満点はもらえないかもしれません。何ともイヤな問題ですが、ある程度頭の中身をヒトに伝える練習が必要なのでしょうね。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \omega$ 、解答時間:40分

難問です。条件$ C$ の意味が飲み込めず手も足も出なかった受験生の方も多かったことでしょう。なお、解答中の$ Z$ とは整数の集合のことで、$ a\in Z$ と書いたとき、「$ a$ は整数である」ことを意味します。

$ (1)$
2つの数$ a,\ b$ が整数であるとき、$ a,\ a-b$ は整数です。逆に、$ a,\ a-b$ が整数であるとき、 $ b=-(a-b)+a$ は(当然)整数です。と言うことは、$ a,\ b$ が整数である。$ \iff$ $ a,\ a-b$ が整数である(同値)ですね。

条件$ C$ の意味は取りづらいのですが、とりあえず $ f(1),\ f(2)$ を考えた方は多いでしょう。このとき、もしも $ g(x)=f(x+3)-f(x)$ が整数であるならば、$ x=1$ を代入して、 $ f(4)=g(1)+f(1)$ となり、 $ g(1),\ f(1)$ はともに整数ですから、$ f(4)$ は整数です。同じようにして、 $ f(7),\ f(10),\ \cdots$ もすべて整数です。

また、$ f(2)$ は整数ですから、 $ f(5)=g(2)+f(2)$ より、$ f(5)$ も整数です。同じく、 $ f(8),\ f(11),\ \cdots$ もすべて整数になります。

すなわち、「条件$ C$ であること」と、「 $ f(1),\ f(2),\ g(x)=f(x+3)-f(x)$ が整数であること」は同値です。

$ (1)$ では、単に$ g(x)$$ 3$ の倍数ではない整数$ x$ に対して整数である、と言うことだけではなく、係数および定数についても、整数であることを示せ、と言っているのです。

そのためには、 $ f(1),\ f(2),\ f(-1)$ を持ち出します。

$ (2)$
$ 2b$ が整数であることに気が付かないと、時間がかかります。$ (a,\ c)$ の組は2つ出てきますが、解答では条件「$ f(1)$ が整数($ 1$ )であることと、$ g(x)$ の係数および定数が整数であること」しか使っていません。つまり、「$ f(2)$ が整数であること」を使っていないので、最後に確認する必要があります。

$ (3)$
$ (1),\ (2)$ の流れの上にありますから、$ (1),\ (2)$ がうまく解けなかった受験生の方にとっては、地獄のような問題です。同値変形について、深く考えたことのある方ではないと、すっきりと自分を納得させて解くことは難しいでしょう。

$ (4)$
最後の問題も簡単ではありません。整式の問題だと思っていたのが、最後は場合の数の数え上げの問題になってしまいました。解答のように場合分けをしても良いでしょうし、$ lm$ 平面を書いて、図を見ながら解くのも良いと思います。解答では、

$\displaystyle 1+3+5+\cdots +2n-1=n^2
$

という公式を使っています。これは、医科歯科のような難関大学では証明せずに用いても大丈夫でしょう。証明は帰納法によります。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

ようやくホッと一息つける問題か、と思いきや、たっぷりの計算が待っています。

$ (1)$
二次関数の解の配置の問題に帰着されます。

$ (2)$
グラフの概形は簡単に分かります。積分の計算では、一度 $ \displaystyle \int{f(x)dx}=F(x)$ と置いて、解答のように分けて計算した方が、ミスを減らすことができるでしょう。細かい部分ですが、これも受験のテクニックの一つです。

$ (3)$
$ (2)$ と同様に、慎重に計算する必要があります。積分の立式は誰でもできますから、計算ミスに対する減点は厳しめに取られるものと思われます。


全体講評

簡単だった昨年に比べ、ずいぶん難しくなった印象を受ける。

$ \fbox{1}$ は記述が難しい。図だけ書いてもあまり点数はもらえないだろう。日頃からしっかりと言いたいことを紙に表現できる練習をしないといけない。

$ \fbox{2}$ 過去の医科歯科大学の問題の中でも、トップクラスに難しい。特に$ (3)$ が厳しい出題で、類題もほとんどないことから、受験生の平均点は極めて低かったものと思われる。

$ \fbox{3}$ 問題としては難しくはないが、計算はたっぷり。積分計算では、「ミスをしないための工夫」を常に心がけないと、何回でも同じような計算ミスを犯してしまう。

医学科で5割5分、歯学科では5割、その他の学部でも4割5分以上は取りたいが、ほとんど手つかずだった受験生も多かったことであろう。

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