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東京医科歯科大学2008年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:20分

ここ数年必ず出題されている空間図形の問題です。しかも、昨年度に引き続き表面積の計算。

$ (1)$
初めは普通に$ t,\ h$ の混じる式で計算します。側面の三角形は$ 4$ 枚ありますから、計算に含めることを忘れないように気をつけましょう。

$ (2)$
$ (1)$ の途中で$ h$ は求まります。

$ (3)$
体積を計算すると、 $ t^2\sqrt{-2t+2}$ という式が現れます。そのまま微分してもよいのですが、ルートの中に式をまとめてしまった方が計算は楽でしょう。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

どこかで経験のあった方には易しい問題だったことでしょう。

$ (1)$
二倍角の公式を用います。

$ (2)$
$ (1)$ が親切な誘導になっていますね。

$\displaystyle \sin{t}=2^n\sin{\dfrac{t}{2^n}}\left(\cos{\dfrac{t}{2^n}}\right)\...
...}}}\right)\cdots\left(\cos{\dfrac{t}{4}}\right)\left(\cos{\dfrac{t}{2}}\right)
$

を示すところでは、帰納法でもいいのですが、解答程度の説明で構わないでしょう。

$ (3)$
少し考えると$ (1),\ (2)$ が利用できることに気が付きます。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

$ (1)$
まず$ g(0)$ の方から求めます。$ f(0)$ は少し頭を使いますが、色々文字を当てはめている内に解けてしまった、という方も多かったことでしょう。

$ (2)$
$ (1)$ を利用します。こういった問題は毎年どこかで出題されています。

$ (3)$
本問題のハイライト部分です。$ (2)$ を利用しますが、式変形は多少巧妙ですね。

$ (4)$
ここも一つの山です。条件$ (c)$ を当然用いますが、途中の式変形で$ (3)$ がうまく使えることに気が付く必要があります。

$ (5)$
部分積分法を用います。解答では簡単なグラフを描いて、 $ y=f(x)g(x)$ の概形を示しても良いでしょう。$ (4)$ まできちんと解けていた方には、簡単な問題だったのではないでしょうか。

本問題の条件 $ (a)\sim (d)$ を満たす関数としては、

$\displaystyle f(x)=\dfrac{e^{2x}+e^{-2x}}{2},\ g(x)=\dfrac{e^{2x}-e^{-2x}}{2}
$

があります。実は、条件 $ (a)\sim (d)$ を満たす関数は、上であげたものに限られます。これを示してみましょう。$ (2)$ より $ {\{f(x)\}}^2-{\{g(x)\}}^2=1$ であり、条件$ (a),\ (b)$ より任意の実数$ x$ に対して$ f(x)>0$ ですから、 $ f(x)=\sqrt{1+{\{g(x)\}}^2}$ です。これを微分すると、

$\displaystyle f^{\prime}(x) = \dfrac{g(x)g^{\prime}(x)}{\sqrt{1+{\{g(x)\}}^2}}
$

となりますが、$ (4)$ より $ f^{\prime}(x)=2g(x)$ ですから、

$\displaystyle 2g(x) = \dfrac{g(x)g^{\prime}(x)}{\sqrt{1+{\{g(x)\}}^2}}
$

です。再び条件$ (a),\ (b)$ より、$ x\ne 0$ のときは$ g(x)\ne 0$ ですから、

$\displaystyle 2 = \dfrac{g^{\prime}(x)}{\sqrt{1+{\{g(x)\}}^2}}
$

です。簡単のために$ g(x)=y$ としましょう。上の式を変形すると、

$\displaystyle \dfrac{dy}{\sqrt{1+y^2}}=2dx
$

です。 $ \log{(y+\sqrt{1+y^2})}$ の微分が $ \dfrac{1}{\sqrt{1+y^2}}$ であったことを思い出すと(2006年度東京医科歯科大学数学問題$ \fbox{3}$ )、この式は

$\displaystyle \log{(y+\sqrt{1+y^2})}=2x+C
$

となります。ただし、$ C$ は積分定数です。$ (1)$ より$ g(0)=0$ でしたから、$ C=0$ が分かります。従って、


$\displaystyle \log{(y+\sqrt{1+y^2})}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2x$  
$\displaystyle y+\sqrt{1+y^2}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle e^{2x}$  
$\displaystyle \sqrt{1+y^2}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle e^{2x}-y$  

です。両辺を二乗して整理すると、 $ y=g(x)=\dfrac{e^{2x}-e^{-2x}}{2}$ が分かります。よって、 $ f(x)=\sqrt{1+{\{g(x)\}}^2}=\dfrac{e^{2x}+e^{-2x}}{2}$ も分かります。


全体講評

近年になく易しい出題である。高得点での争いになったものと考えられる。

$ \fbox{1}$ は落とせない。$ (3)$ の微分を別にすれば、中学校レベルの出題である。

$ \fbox{2}$ は類題の経験により差が生まれるが、頻出レベルと言っても良いだろう。

$ \fbox{3}$ も医科歯科大学の微分の問題としては、非常に易しい。条件 $ (a)\sim (d)$ を満たす関数の具体例を構成することすら不可能ではない。

医学科では8割以上、歯学科で7割5分、その他の学部でも7割以上取らないと、安心できないセットである。実際の試験においても、本年度の数学の平均点は、非常に高かった。

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