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東京医科歯科大学2003年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

複素数平面についての問題です。

$ (1)$
簡単な問題ですが、この結果は$ (2)$ で使いますから、ミスの無いように気をつけましょう。

$ (2)$
元の条件$ (d)$ は考えにくいので、対偶を取ります。解答の$ f(z)=0$ の解が実数かそうでないかで場合分けする必要があります。実数の場合は二次方程式の解の配置の問題に、実数でない場合は$ (1)$ が使えます。

この解が実数かそうでないかの場合分けを忘れてしまった、という方も結構いたみたいです。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:40分

比較的面倒な問題です。

$ (1)$
背理法で示します。難しくはないでしょう。

$ (2)$
やってみると意外に難しくてびっくりします。どんな解法を取ったとしても、 $ \sin{\theta}$ が0 かそうでないかで場合分けが生じるはずです。

$\displaystyle M=\left(\begin{array}{cc}\cos{\theta} & -\sin{\theta} \\ \sin{\theta} & \cos{\theta}\end{array}\right)
$

は回転行列とよばれるものです。この$ n$ 乗が

$\displaystyle M^n=\left(\begin{array}{cc}\cos{n\theta} & -\sin{n\theta} \\ \sin{n\theta} & \cos{n\theta}\end{array}\right)
$

となることの証明は帰納法によりますが、入試では(示せという問題でない限り)証明抜きで用いても構わないでしょう。

$ (3)$
$ P_2$ がどの点になるのかで場合分けします。その場合分けの内、$ P_2=C$ となる場面で$ (2)$ が使えます。その他の場合については、地道に計算する以外の方法はないでしょう。

うまい方法を探して妙に考え込んでしまうと、泥沼ですし、計算に一気に突き進むことができても、行列の計算ですからどこかでミスをしてしまいそうですね。ここら辺の年代の医科歯科大学の問題では、妙に面倒な問題が出題されることが多かったのです。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:25分

曲線の長さの問題は医科歯科大学では頻出です。出題範囲だとかそうでないとかに拘らず、医科歯科受験を考えている方は、必ず曲線の長さの定義と公式を教科書や参考書で確認しておきましょう。

$ (1)$
接線の計算です。こんな計算はミスをせずにさっとすませてしまうのが良いでしょう。直線の方程式を書くときは、 $ y=\dfrac{b}{a}x+c$ などと書くと、$ a=0$$ a\ne 0$ の場合分けが面倒ですので、初めから$ ay=bx+ac$ と書く習慣を身につけておきましょう。一点が勝負を決める入試で、これはとても大切なことです。仮に$ a=0$ となる場合を抜かしてしまった場合、その後の議論に影響が無くても、確実に減点されてしまうからです。

$ (2)$
単なる計算ですから、ミスの無いように!

$ (3)$
公式通り計算を進めます。積分の計算に一瞬手が止まりますが、$ (2)$ が利用できることに気が付けば、道は長くありません。

たとえ$ (2)$ の利用に気が付かなくても、

$\displaystyle L=\dfrac{3}{2}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}{\sin{2t}\sqrt{a^2\cos^2{t}+b^2\sin^2{t}}dt}
$

$ \sin{t}=s$ などと置換すれば、積分の計算は可能です。

その後は、$ a=b$$ a\ne b$ で場合分けが必要です。結局最後には場合分けの結果は一致しますが、その過程を抜かすわけにはいきません。

全体講評

$ \fbox{1}$ は取らないと話にならない。$ \fbox{3}$$ (2)$ の利用に気が付かなくても解決できるので、ハードルが高いとは言えない(簡単とも言えないが)。

$ \fbox{2}$ が勝負の分かれ目になるが、$ (1),\ (2)$ は簡単なので、実質$ (3)$ で勝負が決まるだろう。面倒だと言っても、やることは同じなので、計算ミスの無いように得点を重ねたい。

医学科で8割以上、歯学科で7割以上、その他の学部で6割5分以上は取りたい。$ \fbox{3}$ のように知識(曲線の長さの公式)が必要な問題は対策がしやすい。確実に公式を頭に入れるのが一番の近道である。

$ \fbox{2}$ のように面倒な問題は、分かることは全部記述して、部分点は取れるようにしたい。レベルの高い受験生を振り分けるための試験なので、「できなくて当然。難しい問題は部分点を取れればいい」、くらいの気持ちで臨めばいい。必要以上に緊張する必要はないので、点を積み重ねる訓練をしていこう。

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