トップ>>東京医科歯科大学入試過去問題解説>>2002年度>>数学


東京医科歯科大学2002年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
これは単なる計算です。ベクトルの内積の定義を確認してください、という問題。このように、東京医科歯科大学の数学の問題は小問に分かれており、初めの数問は教科書レベルの問題です。ここは「緊張しないでまずは筆慣らし」という部分なので、くれぐれもミスの無いように気をつけましょう。

$ (2)$
ここも$ (1)$ と同様やっていることは単なる計算です。楕円

$\displaystyle \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}= 1
$

に囲まれた部分の面積は$ ab\pi$ になります。これは皆さん大丈夫でしょう。

$ (3)$
$ (1),\ (2)$ を取っただけで安心していては医科歯科大学には受かりません。ここが頭の使いどころです。普通に計算していくと、

$\displaystyle ax^2+by^2+cxy+d =e
$

のような式が現れ、手に負えません。上の方程式がどのような図形を表すかはすぐに分かっても(楕円になりますね)、面積は求めにくいのです。しかし、よくよく式に注目してみると、$ a$$ b$ の部分の符号が同じで、$ xy$ という式も現れていますから、なんとなく $ 45^{\circ}$ 回転すれば、よく慣れ親しんだ楕円の方程式になるのでは・・・とピンときます。

図形は回転操作により面積を変えませんから、実際に思いつきを実行してみると、みごとに楕円の方程式が現れます。この問題は思いつきが必要で、難しいのですが、うまく試験場で解けた方はとても気持ちの良い思いをしたことだったでしょうね。$ XY$ の項が打ち消されて消えていくところは快感です。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:20分

$ (1)$
一般の関数$ f(x)$ に対して、 $ f^{\prime\prime}(x)=0$ となる$ x$ が常に変曲点とは限りません。たとえば、$ y=x^4$ を考えてみると、 $ y^{\prime\prime}=12x^2$ となり、$ x=0$ $ y^{\prime\prime}=0$ となりますが、これは変曲点ではありませんね。

変曲点の$ x$ 座標は、 「 $ f^{\prime\prime}(x)=0$ かつ $ f^{\prime\prime}(x)$ がその前後で符号を変えるような$ x$ 」ですね。

今の場合は我々がよく親しんだ三次関数がトピックですので、細かい部分に気を回す必要はないでしょう。

$ (2)$
$ (1)$ を使ってもいいのですが、多少回り道になります。解と係数の関係から、解答のように式を立てて、$ p,\ q$ の関係および$ q,\ r$ の関係を求めるのが早い。そこから$ q$ を消去すれば大丈夫です。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

医科歯科大学ではよく見かけるタイプの問題です。

$ (1)$
これは単なる計算。確実に取りましょう。

$ (2)$
部分積分法を用います。$ {(x-t)}^n$$ t$ で微分したときにマイナスが現れることに注意しましょう。それ以外は大丈夫でしょう。

$ (3)$
$ (2)$ を用いると少し話がややこしくなります。出来ないことはないのですが、ここは簡単に置換してみましょう。$ (3)$ を解く前から置換を行った、という方も多かったようです。

$ (4)$
$ (2),\ (3)$ の結果から $ f_n^{\prime}(x)=nf_{n-1}(x)$ が分かります。後はこれをどんどん微分していけば答えに到達します。

少し発展した話をすると、 $ f_n(x)=n!f_1(x)$ はよく見ると、階乗のような形をしていますね。$ f_n(x)$ と似た形の関数、

$\displaystyle \Gamma(z)=\int_{0}^{\infty}{t^{z-1}e^{-t}dt}
$

はガンマ関数と呼ばれ、階乗の実数への自然な拡張になっています。この館数は $ \Gamma(z)=(z-1)\Gamma(z-1)$ および $ \Gamma(1)=1$ を満たします。ただし、$ z$ は複素数で、実部は正とします。$ z$ が自然数のときは、これは私たちがよく知っている階乗と一致します。

なんのことやら分からない方も多いと思いますが、気にしなくても大丈夫です。入試問題には大学で学ぶ事柄を素材としたものが多く見られますが、必ず高校の範囲の知識で解けるように作られていますので、気に病む必要はありません。それでも、こういった新しい知識を実際に出題された問題から得ていくのは、面白いですね。


全体講評

問題そのものは高レベルながらも比較的点の取りやすいセットである。 $ \fbox{1}(3)$ 以外はスラスラ解けた、という受験生も多かったことであろう。特に、$ \fbox{2}$ は医科歯科の出題としては易しい。

$ \fbox{3}$ のように標準的なレベルの問題を確実に解けるような力を身につけるのが、第一目標である。そのためには、普段の学校や予備校、塾での授業をおろそかにせず、教科書レベルの問題は必ず解けるようにしておくのが合格への一番の近道である。

医学科で8割、歯学科で7割5分、その他の学科で7割以上が目標。

この問題     この問題の解答     この解説のpdf


トップ>>東京医科歯科大学入試過去問題解説>>2002年度>>数学

©東京医科歯科大学入試過去問題、解答、解説