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東京医科歯科大学2001年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
数列で習った公式

$\displaystyle 1+x+x^2+\cdots+x^{n-1}=\dfrac{1-x^n}{1-x} \ (x\ne1)
$

の出番です。これを使うと、与えられた$ z$$ z^5=1$ を満たすことが分かります。

後は、上手く$ z^5$ が現れるように、計算の順番を入れかえましょう。類題の経験があればスラスラと行きますが、そうでないとなかなか思いつきにくいと思います。一般的に、

$\displaystyle 1+z+z^2+\cdots+z^n-1=0
$

となる複素数$ z$ に対して、

$\displaystyle (1-z)(1-z^2)\cdots(1-z^{n-1})
$

の値がどうなるのかを考えてみると良いでしょう。

$ (2)$
ここは誘導に従って計算するだけです。

$ (3)$
$ (1),\ (2)$ の結果を慎重に当てはめます。この問題そのものはあちこちで出題されている有名問題(30年以上前から類題があります)ですが、経験がないと厳しいでしょうね。

医科歯科大学の問題は、よく知られた題材を取り上げることも多いので、ある程度「多くの受験生が知っているわけではないが、受験の世界ではよく知られた問題」というものを押さえておくと、余裕が持てるようになると思います。また、本サイトでもそのような問題を今後取り上げていきたいと思います。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$$ (3)$ も答えがすぐに分かったという方も多かったのではないでしょうか。$ (1)$ は面積$ 1$ の正方形を $ \sqrt{2}dt$ 方向にスキャンしていますから、答えは当然$ \sqrt{2}$ です。$ (3)$ も、体積$ 1$ の直方体を $ \sqrt{3}dt$ 方向にスキャンした体積ですから、答えは当然$ \sqrt{3}$ ですね。

$ (1)$
場合分けが必要ですが、問題ないと思います。

$ (2)$
ここはどうやっても計算が必要です。少し考えれば$ 3$ 通りの場合分けが必要なことが分かります。

慣れない空間の問題ということで、パニックになりがちですが、問題そのものはあまり難しくはありません。空間座標の問題は、冷静に大きめの図を描くことがポイントです。

解答の$ (b)$ の場合分けが恐らく最も困難ですが、大きい正三角形$ PQR$ から、$ 3$ つの小さい正三角形を取り除く、と考えるのが一番簡単でしょう。

$ (3)$
計算は面倒ですが、過程はしっかりと書いた方がいいと思います。どうせ計算しなくても答えが$ \sqrt{3}$ になることはわかりきっているのですが。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
$ f(n,\ k)$$ _nC_k$ であることを見抜き、そこから

$\displaystyle f(n,\ k)=f(n-1,\ k)+f(n-1,\ k-1)
$

を出してもいいと思います。解答では、有名な$ _nC_k$ の関係式を出すときの考え方を用いてみました。

$ (2)$
$ (1)$ で解答のような考え方ができていれば、$ (2)$ も上手くいきますが、なかなか難しい。関係を見抜き、帰納法でもいいのではないかと思います。

$ (3)$
記号の文字の多さに目がちらつかなければ、実はこの問題はそれほど難しくはないのですが・・・

$ (4)$
$ (3)$ までしっかり解けていればご褒美問題ですが、直接$ (2)$ で出した漸化式を使って$ g(12,\ 4)$ を求めようとすると、想像以上に時間がかかります。


全体講評

どの問題も最後まで解ききるのはとても難しい。受験生も高レベルであるが、それ以上に問題が難しい。

$ \fbox{1}$$ (1)$ が解けるかどうかが大きい。$ (2)$ は簡単なので、しっかりと$ (1)$ ができていれば、$ (3)$ も流れに乗って解けるはず。

$ \fbox{2}$$ (1)$ は当然確保。これが解けないと東京医科歯科大学に入学するのは難しい。$ (2)$ がメインであるが、空間図形を苦手とする受験生が多いので、この問題が案外合否を決めたのかもしれない。医科歯科大学の空間の問題は、実はそれほど難しくはない。苦手意識を無くすには、簡単なものでいいので、薄めの空間の問題集を仕上げることで、十分対応できるだろう。

$ (3)$ は答えが分かっていても、式をきちんと書いて計算の過程を示さないと、得点にはならないのではないだろうか。

$ \fbox{3}$ も易しい問題ではない。$ (1)$ で与えられた$ f(n,\ k)$ がすぐに$ _nC_k$ と一致することに気が付き、もどかしい思いをした受験生も多かったことであろう。

$ (2)$ 以降はしっかりと自分の頭で考えていかないと、太刀打ちできない。場合の数特有の考え方や、組み合わせの数について、深く考えた経験のある受験生でないと、難しく感じたのではないだろうか。

全体として、医学科で6割5分、歯学科で6割、その他の学部で5割5分程度を目標にしたいところであるが、実際の入試ではその程度取れれば大満足、という所ではないだろうか。

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