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東京医科歯科大学2000年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:20分

$ (1)$
まずは腕慣らし。与えられた二つの複素数は最初に絶対値の大きさと偏角を出してしましましょう。

$ (2)$
余事象を考えるのが簡単です。

$ (3)$
漸化式の作成が適応できる問題です。確率の一般項$ p_n$ を求めるときは、常に漸化式が作れないかどうかを考えてみるといいでしょう。普通に正面から解こうとするよりも簡単に解決できる場合が多いのです。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:40分

$ (1),\ (2)$ はともかく、$ (3)$ は難問です。ベクトルのまま解くか、数式を前面に押し出すか・・・。

$ (1)$
この問題はベクトルのまま解いてもいいのですが、解答では数式主体で解いています。こういう解き方もある、ということさえ知っておかれれば良いでしょう。

$ (2)$
解答では丁寧に解いてますが、単に「三点 $ \overrightarrow{a}=(2,\ 1),\ \overrightarrow{b}=(1,\ 4),\ -\overrightarrow{c}=(-2,\ -3)$ を頂点とする三角形の内部および周上」だけでも点数はもらえるでしょう。

$ (3)$
非常にやっかいな問題です。どんな解き方をしても、最初に$ r+s+t+u=1$ のときを考える、というのは必須です。

解答は直線の方程式を用いて解決しようとしています。論理に紛れが少なく、複雑な図形であっても一歩一歩解いていくことができます。つまり、一気に形を把握することは出来なくても、得点を重ねることが出来ると言うことです。

解答のように、座標の問題と捉えると、計算は確かに面倒くさいのですが、なにより機械的に解くことができます。試験場でこれって、意外と大事なポイントで、巧妙に説明しなくてはいけないような問題でも、「多少時間を掛けさえすれば、機械的に解くことが出来る」手段を持っていることは、精神的に大分楽になります。

$ 4$ 文字現れていますから、取りあえず$ r+s+t+u$ を固定して、後で動かすことにします。この状態で$ 1$ 文字($ u$ )消去してから、さらに$ r,s$ を消去すると、$ y$$ t$ の一次関数に挟まれた形になってでてきます。$ t$ は0 から$ 1$ まで自由に動きますから、この範囲のどんな$ t$ に対しても$ y$ が不等式を満たせば良い、と考えると良いのです。

その後で、$ r+t+s+u$ を動かせば、解決です。$ r+s+t+u$ を動かすと、点$ P$ は最初の三角形を原点を中心に相似拡大していったものが掃く領域を動きます。

高校数学の魅力の一つが、「巧妙な補助線を引かなければいけなかった図形の問題が、べクトルや座標を使うことによって機械的に解くことが出来る」ことだと思います。その中でも特に、座標平面を用いる手法は、説明しにくい問題を論理的に誤りを犯すことなく処理できる魅力があります。

なお、ベクトルを前面に押し出した解答も可能ですが、多少巧妙な処理をしないといけなくなります。習熟していればそれでも良いのですが、焦りがちな試験では普段の発想力はあまり発揮できません。多少時間がかかっても確実に解ける手法を身につけることが大事です。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
普通に$ C_2$ を求めてから微分して・・・とやると計算が面倒です。逆関数の微分法については、ここでは解説しません。教科書をよくごらんになってください。解答では、法線の傾きが同じならば、接線の傾きも同じ、と考えています。

$ (2)$
$ (1)$ をヒントにします。$ f(x)$ を積分するよりも、$ g(x)$ を積分する方が簡単なので、そちらをターゲットにします。なお、一般に、関数$ f(x)$ の逆関数 $ g(x)=f^{-1}(x)$ のグラフ$ y=g(x)$ は、$ y=x$ に関して$ y=f(x)$ と対称です。

$ (3)$
$ (2)$ の解説から、直線$ PQ$ と直線$ y=x$ が直交するとき、$ PQ$ の長さは最小になるはずです。


全体講評

今年度も質の高い問題が出題された。$ \fbox{1}$$ (1),\ (2)$ までは計算なので確実にとる。$ (3)$ も漸化式の作成が思い浮かんだのならば、簡単に感じたことであろう。

$ \fbox{2}$$ (1),\ (2)$ までは教科書レベル。$ (3)$ も投げ出さずにどこまで論理的な記述が出来たかどうかで点数に差がつく。

$ \fbox{3}$ は逆関数の微分法、グラフの利用、面積の積分計算など総合的な問題で、受験生の実力がよく測れる。医学科や歯学科の受験生ならば、完問したい問題である。

医学科では $ \fbox{3}(3)$ 以外の問題全部(約8割5分)、歯学科で8割、その他の学部でも7割以上は取りたい。実際には $ \fbox{1}(3),\ \fbox{2}(3),\ \fbox{3}$ の出来で差がつく。点数は恐らく二峰性(高得点と低得点に人数が集中)であったのではないだろうか。

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