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東京医科歯科大学1998年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
意外にやっかいかもしれません。結果を見ると、$ 2$ 次関数が現れていますから、図形的な処理は難しいでしょう。円の中心と半径を文字で置いて、数式的に処理しましょう。対称性から、$ a>0,\ b>0$ のときだけを考えて、後で面積を$ 4$ 倍すると楽になります。

$ (2)$
$ C_1$ と円$ C_2$ があって、それぞれの半径を$ r_1,\ r_2$ 、中心間の距離を$ d$ とすると、円$ C_1$ の内部に円$ C_2$ が含まれる条件は、

$\displaystyle d<r_1-r_2
$

です。教科書にも必ず載っている基礎的な事実で、図を描いてみればすぐに様子は分かるのですが、これをど忘れしてしまいますとこの問題は解けません。

解答では

$\displaystyle \sqrt{p^2+q^2}+\sqrt{{(p-2)}^2+q^2}<4
$

が出た時点で、それ以上計算を進めずに楕円の定義に戻っています。計算すると、これは

$\displaystyle \dfrac{{(p-1)}^2}{4}+\dfrac{q^2}{3}<1
$

となります。

長軸の長さが$ a$ 、短軸の長さが$ b$ の楕円の面積は、 $ \dfrac{a}{2}\cdot \dfrac{b}{2}\pi$ となります。$ a=b$ のときこれは円の面積の公式となるわけです。似たような感じなんだと覚えるのがいいのでしょう。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
合体した瞬間は点が何個なのか少し分かりにくいので、$ n+0.1$ 秒後などという表現で紛れの無いようにしているのですが、逆に混乱してしまった方もいたのかもしれません。

$ P_1(1)$ は簡単。$ P_2(1)$ も冷静に考えれば必ず解けます。$ P_3(1)$ は普通に求めると大変ですので、解答のように

$\displaystyle P_1(1)+P_2(1)+P_3(1)=1
$

を用いて求めます。

$ (2)$
$ P_3(n)$ はすぐに分かりますから、これを用いて$ Q(n)$ を求めます。

$ (3)$
いろいろな解き方があると思います。解答では漸化式を立てています。この問題のように、時刻とともに状態が変化していくタイプの確率の問題では、漸化式を立てることがとても有力な手段になることが多いのです。

$\displaystyle P_2(n+1)=\dfrac{7}{9}P_2(n)+\dfrac{5}{9}{\left(\dfrac{11}{27}\right)}^n
$

が出た後の漸化式の解き方については、解答に詳しく記しましたので、ご覧ください。

ここでも$ P_1(n)$

$\displaystyle P_1(n)+P_2(n)+P_3(n)=1
$

を用いて求めます。確率を漸化式を立てて求めるタイプの問題では、この基本的な関係式を忘れてしまうと、問題が急に難しくなってしまいます。常に頭の中に入れて忘れないようにしましょう。

結果を見ると、 $ \displaystyle \lim_{n\to\infty}{P_1(n)}=1,\ \lim_{n\to\infty}{P_2(n)}=0,\ \lim_{n\to\infty}{P_3(n)}=0$ となります。長い時間が経つと当然点は$ 1$ 個になるというわけで、感覚的にも納得できますね。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

いかにも医科歯科らしい問題です。

$ (1)$
ここはしっかりと取りましょう。

$ (2)$
$ (1)$ から$ f_n(x)$ は予想できます。とくれば、当然帰納法です。

$ (3)$
部分積分法を用います。ちょっと思いつきにくいかもしれません。

$ (4)$
当然$ (3)$ を利用します。メインは計算ですが、慣れていないと難しく感じるタイプの問題なのかもしれません。


全体講評

本年度も質の高い問題が出題された。

$ \fbox{1}$ は図形的に処理しようとすると難しい。条件をきっちりと式で捉えられることが重要。$ (1)$ もうまく解けなかった受験生も多かったことであろう。

$ \fbox{2}$ は難しい。冷静に条件を詰めていけば解ける問題であるが、試験場ではそれが難しい。総合的な確率の問題で、$ (1)$ だけでもなんとか取りたい。

$ \fbox{3}$ は微分積分の総合問題である。$ (1)$ もうまく処理しないと時間を取られる。一気に解決できたという受験生と、全然解けなかったという受験生に二分されたのではないだろうか。

良質な問題で受験生の実力がよく測れるセットである。確実に取れるのは $ \fbox{2}(1),\ \fbox{3}(1)$ くらいで、後は慣れ不慣れが大きく左右する。医学科では $ \fbox{1},\ \fbox{2}(1)(2),\ \fbox{3}$ は取りたい。全体で7割弱が目標。歯学科でも同程度、その他の学部で6割弱を目指して点を重ねたい。

どの問題も難しいが、医科歯科大学に特徴的な問題ばかりであるので、過去問対策が重要になる。

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