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東京医科歯科大学1996年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

$ (1)$
複素数についての問題です。$ (1)$ は平均的なレベル。$ k$ を求めた後は、いちいち元の方程式が実数解をもつことの確認を書かなくても大丈夫です。

$ (2)$
これもやることは$ (1)$ を同じですが、数値計算がやっかいです。きちんと最後まで答えを出せた方は、ほとんどいなかったのではないでしょうか。いきなり代入するのではなく、ある程度簡単な形になるまで整理しなければいけないのですが、この問題ではどこまでやればいいのか迷います。色々やってみたのですが、解答の程度まで整理してから代入するのが一番簡単なようです。

$ \alpha=\dfrac{7-\sqrt{17}}{8}$ ですが、$ \sqrt{17}$ は大体$ 4$ より少し大きいくらいですから( $ \sqrt{16}=4$ です)、$ \alpha$$ 1$ よりも小さいことが分かります。

答えを正しく出せた方でも、汚い数値になり、不安ですね。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:40分

計算がメインの問題ですが、要領よくやらないと大変です。

$ (1)$
解答では敢えて$ a,\ d$ を整理せず、$ 1-a$$ 1-d$ という固まりのままで計算しています。この方が多少ですが、計算は楽になります。

$ a,\ b,\ c,\ d$ を出した後は、実際に$ f$ が条件を満たす一次変換になっているかどうか、確認しましょう。

$ (2)$
交点の存在に気が付かないと、やや厳しくなります。ここでも、最後まで整理しきらずに、$ 1-a$$ 1-d$ といった固まりを残して計算を進めています。ここら辺は細かいテクニックですが、身につけておかれると答案の見通しがよくなると思います(とはいえ、問題の数値の特殊性に依存した方法ではありますが)。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
$ 2^x=t$ と置き変えるのは当然。その後ですが、最小値と最大値の候補を一気に挙げてしまって、それが0 から$ 1$ の間に含まれる条件を考えるといいでしょう。グラフを描くのに時間がかかる問題ですが、$ (2)$ でも結果を使うので、慎重にいきましょう。

$ (2)$
これも相当丁寧に図を描かないと、思わぬ見落としを生じてしまいそうです。題材となっている事柄は教科書レベルなのですが、細かい部分が鬱陶しい問題です。


全体講評

レベルの高いセットである。どれも手はつけやすいのだが、解ききることは難しい。

$ \fbox{1}(1)$ は取らなくてはいけない。$ (2)$ は微分して最小値を取る点が分かっても、きちんと数値まで計算できる受験生はなかなかいないだろう。日頃から計算をサボらずに、答えを最後まで出す訓練をしなくてはいけない。でないと、効率的な計算方法や、筋のいい計算手法を身につけることは決して出来ないだろう。

$ \fbox{2}$ は一次変換の問題であるが、メインは計算である。この問題も、$ \fbox{1}$ と同様、きちんと数値を出さないと得点にならないであろう。解答では、数値の特殊性を利用した面もあるが、計算を楽にするための工夫が随所に見られる。医科歯科大学では、物理の問題でもそうであるが、厳しい計算が出題されることがままある。合格のためには、こういった計算も時間内になんとか解ききるだけの力を身につけなくてはいけない。そのためには、やはり日頃の演習から、「問題は最後まで自分の力で答えを出し切る」ことが大事である。

考え方に難しいところはないが、細かいグラフを描く必要があり、意外に得点しにくい。$ (2)$$ k$ が最大値を取るような点($ q=p^2$ の接点)に気が付かずに見落としてしまった受験生も多かったことであろう。

全体として、医学科で6割弱、歯学科で5割5分、その他の学部でも5割程度を目標に点数を重ねたい。本年度は、特に計算の厳しい問題が多かったが、日頃から怠けずにどんな計算問題でも工夫を重ねる姿勢が必要だと思われる。

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