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数学

90分、120点。

東京医科歯科大学1994年度入試問題数学解説


$ \fbox{1}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
$ (1)$ が最大の山場です。平面上での話ですが、$ x$ 軸方向と$ y$ 軸方向の話に分解して考えることが出来るかどうかが、ポイント。動きを細かく見てみますと、横方向には確率 $ \dfrac{1}{2}$$ +1$ 進むか(硬貨が$ X$ が表のとき)、確率 $ \dfrac{1}{2}$ でその場に留まるか(硬貨$ X$ が裏のとき)のどちらかです。縦方向も同様です。ただし、縦方向では硬貨$ Y$ の表裏が重要です。

硬貨$ X,\ Y$ の表裏は互いの表裏に左右されませんから、横の動きと縦の動きは独立です。ですから、解答のように横方向の確率と縦方向の確率を掛け合わせればいいのです。

なお、 $ P(x,\ y)\ne 0$ となるのは$ x,\ y$ が整数で、 $ 0\leqq x\leqq n,\ 0\leqq y\leqq n$ のときです。

$ (2)$
うまく文字を設定しましょう。$ (1)$ と同じように、横の動きと縦の動きを分解して考えることが出来るかどうかがポイント。

$ (3)$
$ (2)$ を使います。$ 2^{10}$$ 1,048,576$ となりますが、計算する必要はないでしょう。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
解答のように、方程式を比の形で考えるのが簡単でしょう。連立させたものが交線となります。

$ xy$ 平面上の直線$ ax+by=c$ に対して、ベクトル$ (a,\ b)$ をこの直線の法線ベクトルといいます。少し細かく解説しますと、直線上の点

$ p,\ q\ (ap+bq=c)$ に対して、同じ直線上の任意の点$ (x,\ y)$ は、内積

$\displaystyle (a,\ b)\cdot (x-p,\ y-q)
$

を考えますと、


  $\displaystyle =$ $\displaystyle a(x-p)+b(y-q)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle ax+by-(ap+bq)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle ax+by-c$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle {0}$  

となります。つまり、平面上では、「直線はある一点(ここでは点$ (p,\ q)$ )とその直線に垂直なベクトル(ここでは$ (a,\ b)$ )を設定すれば決定される」ということなのです。これが法線ベクトルの意味です。

\includegraphics[width=90mm]{4.eps}

全く同じようにして、空間上の平面 $ ax+by+cz=d$ に対して、ベクトル $ (a,\ b,\ c)$ をこの平面の法線ベクトルといいます。解答ではこの法線ベクトルの考え方を使って、計算を楽に進めています。

問題では $ \cos{\theta}$ の値を要求されていますから、最初から $ \cos{\theta}$ を求める形で計算を進めましょう。 $ \tan{\theta}$ $ \tan{\dfrac{\theta}{2}}$ を最初に求めようとすると、やや計算画面動です。

$ (2)$
ここも$ (1)$ と同じように、法線ベクトルを使います。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

標準的な内容の問題ですが、計算はやや面倒です。

$ (1)$
ある$ 2$ つの曲線$ y=f(x)$$ y=g(x)$ の接点の条件とは、「$ f(t)=g(t)$ かつ $ f^{\prime}(t)=g^{\prime}(t)$ 」です。

$ (2)$
ここも計算だけですが、多少面倒。最初に$ t$ は代入してしまい、$ b$ は最後に代入します。 $ \log{\left(\dfrac{b}{a}\right)}$ は早めに消さないと、これもまた少し面倒です。

$ (3)$
ここも教科書レベルの計算問題です。


全体講評

標準的なセットではあるが、試験場では意外に難しく感じたかもしれない。

$ \fbox{1}$$ (1)$ が最大のポイント。これが解ければ$ (2),\ (3)$ は解ける。発想を要求されるので、全く手がつかなかった受験生も多かったかもしれない。

$ \fbox{2}$ は要領よく計算を進めるのが大切。なお、$ 2010$ 年度現在、この問題は恐らく出題範囲外である。

$ \fbox{3}$ は教科書レベルの計算問題だが、うまく計算を進めなければいけない。

全体として、医学科では $ \fbox{2},\ \fbox{3}$ は確実に取る。歯学科も同様。その他の学部の受験生でも、少なくとも$ \fbox{3}$ は取らないと勝負にならない。$ \fbox{1}$ が合否の決め手になったことであろう。



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