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東京医科歯科大学1992年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

$ (1)$
もちろん $ y=\dfrac{1}{\sqrt{x+a}}$ のグラフを見て考えても良いのですが、この場合は少し大げさになります。基本的に、高校数学の不等式の問題で、グラフを書かないと解けな い、という問題はありません。グラフは理解の助けにはなりますが、式を厳密に示す のにはやや不向きです。うまく使い分けられるように演習を積んでいきましょ う。

$ (2)$
$ (1)$ の不等式を利用します。$ a,\ b$ になにを代入すればいいのかはすぐに分かりますが、$ k$ をどのように設定するかで頭を使います。

$ \displaystyle \lim_{n\to\infty}{2(\sqrt{n^2+n+1}-\sqrt{n^2+1})}$ の求め方も教科書レベルですね。

後の年度に何題か類題がありますので、機会があればご紹介します。その中では、本問は比較的易しい方でしょう。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

$ (1)$
$ xy$ 平面上の微分可能な曲線 $ y=f(x),\ y=g(x)$$ x=a$ で接する条件は、

$ \begin{cases}
f(a)=g(a) & \\
f^{\prime}(a)=g^{\prime}(a) &
\end{cases}$

が成り立つことです。この式を計算する途中で、$ a>0$ に言及しておきましょう。また、 $ a\ne \dfrac{1}{e}$ にもご注意を。

$ (2)$
極小値を求めるだけです。

$ (3)$
$ b=\dfrac{a^2}{1+\ln{a}}$ ですから、たとえば$ a$ が左から(小さい方から) $ \dfrac{1}{e}$ に近づくと、$ 1+\ln{a}$ はマイナスからどんどん0 へと近づいていきます。すると、 $ \dfrac{1}{1+\ln{a}}$ はどんどんとマイナス無限大に近づいていきます。

このようにして、グラフの様子を掴んでいきましょう。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:40分

これは難しい問題です。色々な解き方がある問題ですが、解答のように直接回転 後の直線を求めて、交点を求めてしまうのが早いでしょう。

解答では様々な工夫をしていますが、まず最初に、回転後の直線を求めるのに、初期状態での$ l,\ m$ の交点$ P_0$ を点$ A,\ B$ を中心として回転させた点(解答での$ P_m,\ P_l$ )を保ちだしているところです。回転後の直線は、この点を通りますので、まずここから求めているわけです。

点を求めた後は、直線を求めます。一般に、$ 2$ $ (a,\ b),\ (c,\ d)$ を通る直線は、

$\displaystyle (x-a)(d-b)=(y-b)(c-a)
$

または、

$\displaystyle (x-c)(b-d)=(y-d)(a-c)
$

と求めることができます。これは、たとえば前者を

$\displaystyle y-b=\dfrac{d-b}{c-a}(x-a)
$

と書けば当たり前なのですが、文字式ですと$ c-a$ が0 になるかどうかで場合分けが煩わしいので、初めから分母を払った形で書いているのです。この場合も、「分母が0 の場合の場合分けがされていない」と見なされてしまうと、いくら分かっていたと後で言っても、減点対象ですので、直線の方程式を求めるときにはこの形で書く習慣をつけておかれるとよいでしょう。

$ (1)$
直線が求まれば、後は計算です。計算過程をここに載せておきます。


$\displaystyle (x+\sqrt{3}y-1)(x-\sqrt{3}y+1)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle (\sqrt{3}x+y+\sqrt{3})(\sqrt{3}x-y-\sqrt{3})$  
$\displaystyle x^2-\sqrt{3}xy+x+\sqrt{3}xy$   $\displaystyle 3x^2-\sqrt{3}xy-3x+\sqrt{3}xy$  
$\displaystyle -3y^2+\sqrt{3}y-x+\sqrt{3}y-1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle -y^2-\sqrt{3}y+3x-\sqrt{3}y-3$  
$\displaystyle x^2-3y^2+2\sqrt{3}y-1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 3x^2-y^2-2\sqrt{3}y-3$  
$\displaystyle {0}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 2x^2+2y^2-4\sqrt{3}y-2$  

です。整理すれば、これは円になりますね。

$ (2)$
解答ではやや丁寧に書きましたが、実は上と同じ計算をくり返す必要はありません。上の$ (1)$ の計算過程で、

$\displaystyle x^2-3y^2+2\sqrt{3}y-1= 3x^2-y^2-2\sqrt{3}y-3
$

となっていましたが、右辺の符号をすべて逆にすれば、そのまま$ (2)$ で求める式になっています。省エネが可能ですね。曲線は双曲線になります。


全体講評

$ \fbox{1}(1)$$ \fbox{2}$ は落とせない。$ \fbox{3}$ はほとんど白紙の受験生も多かったことであろう。医学科受験生は $ \fbox{1}(2)$ はどうしても取りたい。$ \fbox{3}$ は難しいが、計算技術など学ぶことの多い問題であるから、解けなかった人間でもしっかり復習すると良い。医学科で6割、歯学科で5割5分、その他の学部で5割以上が目標。

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