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東京医科歯科大学1991年度入試問題数学解説

90分、120点。


$ \fbox{1}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

2年連続での整数問題の出題です。医科歯科大学の整数の問題は、いずれも基本的ですが、最後に一捻りあります。

$ (1)$
これは基本的な問題です。医科歯科大学の数学では、小問の初めの問題は確実に取れるようにしておきましょう。解答のように表を見ながら解くと間違いが少なくなるでしょう。$ b-a,\ b+a$ を出した後は、$ b$ を求めるために、その$ 2$ つの数字を足して、$ 2$ で割るのが早いですね。

$ (2)$
文字をもう一つ持ち出しておきます。 $ d+c-(d-c)=2d>0$ は偶数ですから、$ d+c$$ d-c$ の奇偶は一致します。なので、解答で表にした部分のうち、答えが$ \times$ になっている部分は、最初から考える必要がありません。一応表には書いてありますが、実は計算していないのです(計算する必要がない)。最初から$ d,\ c$ が整数にならないのは明らかですしね。

$ (3)$
因数分解に気が付けば一瞬です。気が付かなくても、与えられた関係式を、$ a$ についての二次方程式と見て、

$\displaystyle a^2+(7b+1)a+12b^2+3b-9=0
$

としてから、


$\displaystyle D$ $\displaystyle =$ $\displaystyle {(7b+1)}^2-4(12b^2+3b-9)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 49b^2+14b+1-48b^2-12b+36$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle b^2+2b+37$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle {(b+1)}^2+36$  

が平方数になるようにすれば、解決します。それは、ほとんど$ (2)$ と同じですね。出題者は、こちらの解き方を想定したのかもしれません。確かに、いつでも解答のように因数分解ができるとは限りませんから、こういった解き方も押さえておきましょう。


$ \fbox{2}$ レベル:$ \gamma$ 、解答時間:30分

$ (1)$
立体の形は分かりませんが、$ z=k$ で切ると平面で考えることができます。立体の体積を求めるときの第一歩が、ある軸に垂直な平面で立体を切断して、平面で考えることです。軸の選択はなんでもよいのですが、この場合$ z=k$ が一番簡単ですね。

原点を中心とする半径$ 1$ の球ですから、 $ -1\leqq k\leqq 1$ であることにご注意を。積分を立式下後は、対称性を利用するとさらに計算が簡単になります。

$ (2)$
これはなかなかの問題です。教科書では立体図形がまともに取り上げられていないのですが、近年医科歯科大学では毎年と言っていいほど立体の問題が出題されています。図形的な考察が必要になる問題も多いのですが、この問題の場合、

$\displaystyle W=\{(x,\ y,\ z)\ \vert \ 3x^2+3y^2-z^2\leqq 0\}
$

がどのような形をしているのか分かりません。そこで、解析的な手法で立ち向かうことにします。一番のポイントは、$ W$ 上の点が、

$\displaystyle x=r\cos{\phi},\ y=r\sin{\phi},\ 0\leqq r\leqq \dfrac{z}{\sqrt{3}}
$

とおける。という所で、これを知ってさえいれば、後は簡単な計算問題にすることができます。


$\displaystyle 4\cos{\phi}+3\sin{\phi}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle (4,\ 3)\cdot (\cos{\phi},\ \sin{\phi})$  
  $\displaystyle \leqq$ $\displaystyle \sqrt{4^2+3^2}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle 5$  

はすぐに分かりますね。三角関数の合成をしても同じことです。

実は、$ (2)$ の答えは $ \cos{15^{\circ}}$ の値です。$ W$ が直円錐と呼ばれる図形であることから、図形的な解析を行うとこの値が出てくるのですが、受験生の皆さんには酷というもの。立体図形の問題は、下手に図形で解くよりも、適当に文字を持ち題して、計算問題として解いてしまった方が、試験場では安心でしょうね。


$ \fbox{3}$ レベル:$ \beta$ 、解答時間:30分

1989年度にも出題された微分方程式の問題です(参考)。

$ (1)$
$ x,\ y$ を分離します。この時点が、積分定数が現れますが、「一般解」ですので、解答に用いても構わないのです。

$ (2)$
積分定数がプラスにもマイナスにもなることにご注意を。 $ y=2e^{-x}\sin{x}$ のみを答えとしてしまい、マイナスの方を忘れてしまった方は、見直し不足です。

$ \displaystyle \int{e^{-x}\sin{x}dx}$ を求める部分では、テクニックを用いていますが、普通に部分積分をくり返しても十分です。このテクニックは、計算ミスを減らすことができるので、試験場では重宝します。

$ (3)$
極大値をとる$ x$ の値をすぐに分かるのですが、極小の方は見落としやすいと思います。極値の定義は、実は難しく、理系大学の解析の授業できちんと習うのですが、普通に「微分して $ f^{\prime}(x)=0$ となる点」と覚えていると、この問題では痛い目を見ます。

余裕のある方は、こちらで極値の定義を確認されておくと良いと思います(教科書にはきちんとした微分の定義は書かれていない!)(wikipediaより「極値」


全体講評

どの問題も決して難しくはないが、細かいミスをしやすい。特に$ \fbox{3}$ の完全中井島を作成することは難しいだろう。 $ \fbox{1}(1),\ (2),\ \fbox{2}(1),\ \fbox{3}(1),\ (2)$ はしっかり確保したい。

$ \fbox{2}(2)$ は発想を試される良問であるが、試験場では嫌われる。医学科で7割以上、歯学科で6割5分以上、その他の学部で最低5割以上が目標となるだろう。

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